TOPICSBOOK

ミッキー・マウスにドナルド・ダック、バックス・バニーやトゥイーティー、ポパイ、ベティ・ブープ、トムとジェリー、ウッディー・ウッドペッカーなどなどなど、現在もアメリカン・ポップカルチャーの象徴的存在として生き続けているキャラクターたち。
そんな数々の名作を生み出したアメリカアニメーション黄金時代の歴史をまとめた書物が発売されています。

マウス・アンド・マジック上
[本]マウス・アンド・マジック―アメリカアニメーション全史 上/レナード・マルティン・著、権藤俊司・監訳、出口丈人、清水知子、須川亜紀子、土居伸彰・訳(7net)
(amazon)
楽工社 2010.4.26発売 5145円
ISBN:978-4-903063-42-3

マウス・アンド・マジック下
[本]マウス・アンド・マジック―アメリカアニメーション全史 下/レナード・マルティン・著、権藤俊司・監訳、出口丈人、清水知子、須川亜紀子、土居伸彰・訳(7net) (amazon)
楽工社 2010.7.1発売 5145円
ISBN:978-4-903063-43-0

アメリカの映画史研究家、レナード・マルティンが1987年に上梓した「OF MICE AND MAGIC: A History of American Animated Cartoons」(amazon)という書籍を翻訳したもので、上下巻あわせて800ページ超、値段も1万円越えという大著となっています。作品は主に制作スタジオ別に章立てでまとめられていて、このような順番で収録されています。

【上巻】
サイレント時代
ウォルト・ディズニー
アブ・アイワークス
マックス・フライシャー
パラマウント/フェーマス・スタジオ
ポール・テリーとテリートゥーン

【下巻】
ワーナー・ブラザーズ
MGM
ウォルター・ランツ
ヴァン・ビューレン・スタジオ
コロムビア――チャールズ・ミンツとスクリーン・ジェムズ
UPA
その後の物語

作品そのものの解説だけではなく、詳細な調査により当時の時代背景や制作にまつわるエピソードなどが多面的に掘り下げられていて、まさに「全史」といった内容です。巻末にはDVD・作品リストも収録されています。

この手の本といえば、以前森卓也さんの「定本 アニメーションのギャグ世界」という本を取り上げたことがありましたが(こちらは1978年に発売された書籍の復刻版)、あの本も1つ1つのギャグを恐ろしいほど丁寧に掘り下げ、鋭く解説していく凄まじい内容でしたが、こちらもこちらですごいボリュームで圧倒されてしまいます。この時代のアニメーションが好きならば、どちらの本も手に取ってみて損はないかと思います。

[本]マウス・アンド・マジック―アメリカアニメーション全史 上(出版社の紹介ページ)
[本]マウス・アンド・マジック―アメリカアニメーション全史 下(出版社の紹介ページ)

TOPICSBOOK,企業キャラ

これはアメリカの昔懐かしい広告キャラクターを集めた書籍です。

アド・ボーイ
[本]アド・ボーイ~アメリカン・ヴィンテージ広告・キャラクター大全~/ウォーレン・ドッツ、マサド・フセイン(amazon)

グラフィック社 2010.7発売 1575円
ISBN:978-4-7661-2123-0

1950~70年代頃のキャラクターを集めているそうです。思わず「懐かしい」なんて書いてしまいましたが、実際にはほとんど見たことないキャラクターばかりなのでどっちかというと新鮮です。それもすごく。今の時代にはないセンスだしね。
カラーでビジュアルメインの内容になっていて、ページ数もそこそこあるのに意外と安いのもよいです。

[本]アド・ボーイ~アメリカン・ヴィンテージ広告・キャラクター大全~(出版社の紹介ページ)

[本]Meet Mr. Product: The Art of the Advertising Character(amazon)…同じ著者によるアメリカ広告キャラクターをまとめた書籍。こちらは翻訳されていません。2003年2月、Chronicle Booksより発売。
[本]アメリカン・キャラクター大図鑑(amazon)…これも著者の1人(ウォーレン・ドッツ)による1950~90年代にかけてのアメリカ広告キャラクターを扱った書籍ですが、こっちはちゃんと翻訳済みです。現在は入手困難みたいだけど。1999年1月、グリーンアロー出版社(現・Bbmfマガジン)より発売。

MEMO

■いつの間にか紹介しようと思っていた本が溜まってしまっていたので、ギリギリまでやらずにいた夏休みの宿題を消化するかのごとく片付けてみました。といってもまだあるんだけど。

ちなみに僕は夏休みの宿題に関しては”9月に入ってからやる派”でした。でも基本的に小心者なので、2学期は小動物のようにビクビクと怯えながら学校に行くはめになっちゃうんですよね。そんななら、さっさとやればよかったのにね…。
 

24時間テレビ関係者の呟き(Togetter)
いろいろ言われているけど、中の人の偽りのない率直な意見であることは確かっぽいですね。このへんの考え方は、食い違う人とはずっと分かり合えない部分が大きいと思うので、それぞれが思ったようにやるしかないんでしょうね。

僕は24時間テレビなんて見たくもないし協力もしたくない派だけど、こういう番組を作りたい、協力したいと思う人の意見は尊重するべきだとは思っています。

ただ、このTweetの中でも島田紳助がよく言う例の言葉が出てくるでしょ。「しない善よりする偽善」っていうやつ。この言葉を聞く度にもやもやとした気分になってしまいます。僕の中での偽善は「やらない方がマシな行い」なのが前提条件になっているので、当然「する偽善よりもしない善」の方がマシなのです。

安っぽい例えでアレですが、例えば宿題やるのをしょっちゅう忘れる僕みたいな人がいて、そこに先生に怒られたらかわいそうだから毎回全部写させてあげる、という人が現れたら、「それって友達思いのいい奴やん?」とも言えるけれどでも! 長い目で見たらマズイよね…。

場当たり的な善行によって状況がより悪くなる危険性ってあると思うんだよね。そんなの当然分かってるよ、って言うんならいいんだけど、僕にはあの言葉からそういう重みを背負っているようには感じられないんだ。たぶん僕がバカだからなんだと思うけど。ろくにやってこなかったからね…、しゅくだい。

TOPICS漫画

ちょっと前の話になっちゃいますが、長新太さんのこれまで単行本に未収録だった15コマ漫画が書籍化されましたので紹介です。

人間物語
[本]人間物語/長新太(amazon)

芸術新聞社 2010.6.10発売 1680円
ISBN:978-4-87586-196-6

長新太さんと言えば「キャベツくん」(amazon)など、絵本のイメージが強いですが、元々は漫画家として活動されていた方なので、漫画作品もたくさんあるらしいんですね。ただ絵本と違って積極的に書籍化されていないため、今回のような大人向けの漫画作品の書籍化は、非常に珍しいと思われます。

ページをめくるといきなり、「この漫画は、思いあがった人間が、生きものや、自然からチクチクと毎回しっぺ返しをうける物語です。」という前置きがあります。なるほど風刺が効いた物語なのかと思いつつ、再びページをめくると目に飛び込んでくる1話目のタイトルが「ゾウをダンゴにしてはイカンの巻」ですからね。
思わず「ズコー!」と両足を上げてコケたくなるようなところですが、読んでみるとやっぱりすごいんですよ。1コマ先すら予想できない自由すぎる発想が飛び交いまくっていて「なんなんだこれは」の連続で。そんななのに、単なる無茶苦茶じゃなくて、現代社会に対する長さんからのメッセージがしっかり込められているんですね。風刺漫画ってそんなに読んだことはないけど、こんなに奇妙でなぜだかあったかい気持ちになれる作品はそうないと思います。

あと、先月発売された雑誌「イラストレーション」9月号でも長新太さんが特集されているのであわせて紹介です。

イラストレーション「長新太 マンガのココロ」
[雑誌]イラストレーション2010年9月号「長新太 マンガのココロ」(amazon)

玄光社 2010.7.27発売 1680円

吉祥寺の絵本専門店「トムズボックス」の土井章史さんによる作品紹介や、土井さんとブックデザイナーの日下潤一さん、イラストレーターの網中いづるさんの3人による座談会などが掲載されています。
 

[本]人間物語(出版社の紹介ページ)…いくつかのページ画像が掲載されています。
[雑誌]イラストレーション2010年9月号「長新太 マンガのココロ」(出版社の紹介ページ)…こちらも少しだけ立ち読みできます。
長新太の本(トムズボックス)…「トムズボックス」では長さんの没後、いくつかの作品を独自に書籍化して販売しています。一般流通はしていないのが残念ですが、ネット通販でも購入可能です。

ついでに長さんについて詳しく知りたい方に関連書籍を2つ紹介。
[本]長新太―ナンセンスの地平線からやってきた/土井章史(amazon)
[本]長新太(KAWADE道の手帖)(amazon)
どちらも2007年に発売されたものです。

絵本画家の長新太さん、死去(2005.6.27)

TOPICSBOOK

これもちょっと前に出た本ですが、絵本作家の荒井良二さんの初となる作品集です。

meta めた
[本]meta めた/荒井良二(amazon)

フォイル 2010.4.30発売 2100円
ISBN:978-4-902943-54-2

思うがままに描かれたいろんなタイプのイラストが、これでもかと収録されていて、まるで荒井さんの脳の中を直接覗き込んでいるような気分にさせてくれる1冊です。こういう作品、好きだな~。

また、同時期に発売された絵本「モケモケ」もすごかったです。

モケモケ
[本]モケモケ/荒井良二(amazon)

フェリシモ出版 2010.5.21発売 1350円
ISBN:978-4894325210

「モケモケ」というのは荒井さんの造語で、幼児が持つ感覚世界を表現したものらしいんですが、「meta めた」が荒井さんの脳の中なら、こっちは見知らぬ幼児の頭の中に飛び込んでしまったかのような、不思議感覚に満ちあふれた世界になっています。まさにモケモケです。

この本はフェリシモ出版の「おはなしのたからばこ」というシリーズの1つとして出版されたものなんですが、こうした言葉による”おはなし”がない絵本までラインナップするとはなかなかすごいです。

[本]meta めた(出版社の紹介ページ)
[本]モケモケ(出版社の紹介ページ)
荒井良二(公式サイト)

[本]ルフランルフラン2 本のあいだのくにへ/荒井良二(2006.5.27)

TOPICS絵本

かわいいうさぎの女の子が主人公の絵本を紹介です。

ウィルバーのしあわせ
[本]ウィルバーのしあわせ/ウィルバー奈美・文、藤本タクヤ・絵(amazon)

文芸社 2010.8.15発売 1050円
ISBN:978-4-286-08955-3

うさぎのウィルバーはある日寿司職人の人間の男性に一目惚れしてしまいます。普通なら叶わぬはずの恋を成就させるため、ウィルバーは必死に頑張るのですが…、というストーリー。

ページ数は少ないんですが、予想を上回るメルヘンチックな展開に、思わずにやにやしてしまいました(笑)。イラストもかわいくて、ストーリーにぴったりはまってます。もうちょっと長めの物語としても読んでみたい気になりました。

おそらく自費出版的な扱いの書籍なので、かなり規模の大きい書店でないと取り扱いがないかと思われますが、もし見つけた際には手に取ってみてほしい1冊です。

[本]ウィルバーのしあわせ(出版社の紹介ページ)