[本]木のロボットと丸太のおひめさまのだいぼうけん/トム・ゴールド

TOPICS絵本

表紙を見て気になって読んでみたらすごく面白かった絵本の紹介です(もたもたしてたら発売からかなり経ってしまった!)。

[本]木のロボットと丸太のおひめさまのだいぼうけん/トム・ゴールド
[本]木のロボットと丸太のおひめさまのだいぼうけん/トム・ゴールド・作、金原瑞人・訳(amazon)
ほるぷ出版 2021.11.9発売 1760円(税込)
ISBN:978-4593102709

表紙に描かれているのはタイトルにもなっている木のロボットと、丸太のおひめさま。この物語の主人公です。子供のいない王様とお妃様が、発明家と森の魔女に頼んで作ってもらった子供がこの2人なんですね。

ある日、2人はひょんなことから離ればなれになってしまい、タイトルにもあるように大冒険を繰り広げることになるんですが、これがね、いいんですよ。最初は絵に惹かれて手に取ったのに、物語がすごくおもしろいんです。

特にいいなと思ったのが、木のロボットと丸太のおひめさまが交互に冒険することになるところ。互いに相手のこと想いながら一生懸命頑張る姿が胸に来ます。

あと途中、木のロボットの行動に「え、それでいいの?」と、ちょっと不安になってしまうシーンがあるんですよね。これって後々、よくないことが起こる伏線なんじゃ……と思っていたら、それが単なる思い過ごしだったことが割とあっさり判明するんです。そして同時に木のロボットの、妹(丸太のおひめさま)への強い愛情を感じることになるという……。この展開、ずるいわー。

作者のトム・ゴールドさんは「ガーディアン」や「ニューヨーカー」といった有名な新聞や雑誌で活躍するイラストレーターとのことで、絵は緻密に描き込まれていて、かつ無駄がなく、どのページもずっと見てられます。こんな素敵な絵と物語を描けるの、すごいなぁ。もっと作者の方のことを知りたくなりました。

[本]木のロボットと 丸太のおひめさまの だいぼうけん(出版社の紹介ページ)…「トム・ゴールドさんから日本の読者のみなさんへ」というページでは作者の方から日本の読者へ向けてのメッセージが公開されています。
TOMGAULD.COM(作者の公式サイト)
[本]月の番人/トム・ゴールド・作、古屋美登里・訳(amazon)…2016年発表の漫画作品。日本では絵本と同時期の2021年9月に発売されました。過疎化が進む月のコロニーで業務に当たる警察官の日常と静寂が淡々と描かれています。日本では他に『ゴリアテ』という作品が出版されています。

Posted by CHARA PIT