MEMOレポート

■3/14に阿佐ヶ谷ロフトAで開催された「蒐集原人の夜」というイベントを見に行ってきました。ゲームデザイナーのとみさわ昭仁さんとミュージシャンの石川浩司さんという異色の組み合わせによる、コレクションをテーマにしたトークイベントだったんですが、熱くてすごい世界が広がっていましたです。

コレクションと言ってもお2人の集めているものというのは、希少価値があって高値で取引されている…といった類のものではないんですね。言ってしまえば、「なんでそんなもの集めてるの?」というものばかり。でも、それがいいんですよね。

石川さんはドリンク缶コレクションについてVTRを見ながら、とみさわさんは謎の多い有名人トレーディングカードなどについて語ってくれました。とみさわさんはカードの他にもいろんなコレクションがあるらしいんですよね。その辺の話ももっと聞いてみたかったです。

他にゲストとして「ミキジ自己満足ページ」の管理人でデザイナーの永井ミキジさんも参加されていたんですが、やたらトークが上手くてエピソードの1つ1つに聞き応えがありました。ミキジさんが披露したのは「顔ジャケラーメン」というコレクションだったのですが、これ、店主の顔がプリントされているカップラーメンのふたのことなんですね。しかもただ集めているだけじゃなくて、細かなジャンル分けや分析があって驚きました。

ミキジさんの話を聞いて、コレクションって自分だけの視点を発見することと、そこに歴史を紡いでいくことに面白さを見いだせるかが大切なんだなと思いましたです。

あとみんな声を揃えていたのが、テレビなどでこういうタイプのコレクターを扱うときに”奇人変人”的なポジションを求められるのをなんとかしてほしいと。確かに、変なヤツを見下して笑おう、みたいな薄っぺらい趣旨が見え見えの企画って多そうですもんね。
一見くだらないものの奥にある高尚さに気づけるかどうかって、大切ですよね。それだけで世界の見え方が違ってくるような。でもやっぱりくだらないんですけどね。高尚なくだらなさとでも言うか。表面だけ見て笑うんじゃなくて、ちゃんと分かった上で笑える側でいたいなと思いました。

そしてイベントの最後には石川さんが歌まで歌ってくれたのですが、これがすごくよくて痺れました。「秋の風」と「オンリー・ユー」という2曲だったかな。いいものが見られました。
 

■ちなみに阿佐ヶ谷ロフトAってできて4年くらい経つのかな? 前はよく通りますが、行くのははじめてでした(新宿のロフトプラスワンなら何度もあるんですけどね)。あの場所って、前はブックギルドっていう古本屋さんだったので、「あそこがこんなになったか~」なんて思いながら眺めてしまいました。

交通機関が混乱中の最中、自粛ムードに流されず、しかも照明を落とすなど電力にも気を遣いながらイベントを決行する、その気概にも感動しましたです。