TOPICSMOVIE,アニメ,感想

父を探して
久しぶりに映画についてのつたない感想でも書いてみます。現在、渋谷・シアター・イメージフォーラムにて公開中の「父を探して」というブラジルのアニメーション映画です(途中からネタバレっぽいことも書いてます)。

数々の受賞歴

この作品は2014年にはアヌシー国際アニメーション映画祭の最高賞と観客賞を同時受賞したり、2015年のアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされるなど、数々の賞を受賞しているんですが、僕的には日本での配給をアニメーション研究家の土居伸彰さんが昨年新しく立ち上げたニューディアーという会社が行うということで、気になっていたんですよね。

シンプルすぎるキャラクター

もうひとつ気になったのは、かわいくも異常なまでにシンプルなキャラクターです。十数分の短編アニメーションならわかるんですが、長編ですよ。しかもこの作品、全編セリフもないんですね(実際には会話しているシーンはあるんですが、翻訳や吹き替えはされていません。どうも架空の言葉らしい)。いったいどんな見せ方で何を描くのか、気になりながらも事前情報には一切触れず見てきましたよ。

全編手描きの鮮やかな色と音で描かれる「現実」

この作品の見どころは、なんと言っても音楽にあわせて動きまくる映像です。色鉛筆や油絵、コラージュを駆使して描かれた、秩序的だったり無秩序だったりのイマジネーション溢れる予想のつかない映像。それに土着的というか、どこか懐かしさのある音楽が加わって、独特なファンタジックワールドが構築されています。この映像を浴びるように見ているだけで、幸せな気持ちになるんですね。正直言ってそれだけでいいんじゃないか、という気すらするんですが、この作品は許してくれません。

最初、この絵柄でこの題名ですよ。子供が父親を探すために町内を探検するみないな、ミニマムな世界を舞台にしたファンタジーが繰り広げられるのかなと思っていました。が、全然違うんですね。逆ですよ、逆。いろんな意味で。
実際にこの作品で描かれているのは、なかなかにハードな「現実」の数々でした。このギャップが凄まじかった。

特に、自然の風景と対比的に描かれる機械や乗り物のような人工物への異物感ありありの悪夢的な描写。このイヤ~な感じは「MOTHER3」を思い出しましたよ。
あと頭に浮かんだのが小沢健二の「うさぎ!」。あの作品は童話的な形態を取りながら、過剰なまでにグローバル化していく社会経済への明確な批判を目的にした作品でしたが、この作品でもかなりはっきりとした描写が出てきます(よく考えたら「うさぎ!」はボリビアを舞台にしていたので、南米つながりでもありますね)。

タイトル、そしてキャラクターの意味

「父を探して」という一見ほんわかしたタイトル、これは邦題で、ポルトガル語の原題(O Menino e o Mundo)や英語題(The Boy and the World)では「少年と世界」という意味になっているそうです。それを知り最初は、この邦題、そのまますぎると思ったんだけど、改めて考え直すと「少年と世界」の方がそのまますぎて正確じゃない気もしてくるんですね。どちらのタイトルも、そんな作品の二面性を表しているのかもしれません。

最後に、なぜここまでシンプルなキャラクターなんだろうと考えてみるんですが、この少年キャラ、特徴的なのが顔の輪郭、というか頭が正円なんですよね。普通、ここまで"手描き"にこだわっている作品だったら円にするにしても、フリーハンドのちょっとゆがんだ円にする気がします。
でも、ここまで個性を与えないことで、逆に映像の中では唯一無二の個性を放っています。
そして終盤、少年が何かを見つめるシーンがあって、作品の中では何を見つめているかはちゃんと明示されているんだけど、そうじゃない感覚に陥るんですね。ひょっとしたら、この感覚のために正円なんじゃないかと。あらゆる個性を取っ払いつつ、主人公としての個性も備えるという、ありえない二面性を体現したのがこのキャラなのではという気がしてきました。
とか言いながら、あとでメイキングを見たら元からあったデザインみたいでしたけど(笑)。でもやっぱりこのキャラクターの特殊な見た目は作品を象徴している気がします。

正直見終わった直後はけっこうもう、いろいろショックで絶望的な気持ちになってしまったんですよ(だって、あれがああってことは、そういうことでしょ!?)。でも改めて振り返ると、過去から現在、この世界が直面している現実を直視しているからこそ、描ける希望がここにはあるのかもしれません。もう1度見たらまた感じ方変わるんだろうなぁ。

父を探してパンフレット
▲パンフレットはポストカード型でした。

父を探して(公式サイト)…現在は1館だけでの上映ですが、順次地方でも公開されるようです。
長編アニメーション映画『父を探して』予告編(YouTube)
『父を探して』メイキング(YouTube)
Emicida – Aos olhos de uma criança(YouTube)…ブラジルのラッパー、エミシーダが歌う映画のエンディングテーマのPVです。映画の映像がふんだんに使用されています。

TOPICSGAME

任天堂からWii U向けに期待の新作「Splatoon(スプラトゥーン)」がついに発売されました~。

[Wii U]Splatoon
[Wii U]Splatoon(スプラトゥーン)(amazon)
任天堂 2015.5.28発売 5700円+税

このタイトルは昨年6月のゲームイベント「E3」にて電撃的に発表され、多くのゲームファンの心を一瞬で鷲づかみにした待望の作品だったんですが、発売後の評判もなかなかいいみたいで(鷲づかみされた1人としても)嬉しい限りです。

この「Splatoon」というゲーム、任天堂にとっては新しい試みがいくつかあるんですよね。ひとつはTPS(三人称視点シューティング)というジャンルのゲームだということと、もうひとつはオンライン対戦がメインコンテンツだということ。この手のジャンルは兵士になって戦場で銃を撃ち合う、みたいなシチュエーションのゲームが多く、更にオンライン対戦ともなるとどうしても殺伐としてしまいがちで、初心者には手を出しづらいタイプのゲームがほとんどだったりします。
そんな中、殺伐となりそうな要素を丁寧かつ徹底的に排除することで、TPSを手に取りやすいゲームに仕上げたのが「Splatoon」の最大の魅力と言ってもいいでしょう。

分かりやすく大胆なゲームシステムとともに、その”手の取りやすさ”に最も大きく貢献しているのが世界観です。ストリートカジュアルに身を包んだ”イカキッズ”たちが、街中でインクを打ち合うという”ごっこ遊び”的なシチュエーションと、ビビッド・カラーのインクにまみれるプレイ画面。
この明るくポップな世界観は、ダークで写実的な世界観を追い求める昨今のゲームタイトルの中ではひときわ異彩を放って見えます。

ちなみにこのゲーム、任天堂の花形部署でもある情報開発本部が開発したんですが、キャラクターや世界観が完全新規に作られた作品としては、2001年発売の「どうぶつの森」や「ピクミン」以来、14年ぶりのタイトルなんですよね。マリオやゼルダといった人気作の続編や、Wii SportsなどのMiiを使った作品の制作に手一杯だったとしても、あまりにも…、あまりにも期間が空きすぎだとは思いませんか!?

そのおかげなのかなんなのか、開発者が全力で楽しみながら制作しているなっていうのがゲームの端々から伝わってくるんですよね。もうなんか、フラストレーションが爆発して全部このタイトルに注ぎ込まれているんじゃないかっていうくらいに。

なんで任天堂が完全新規のキャラクターを立ち上げるのにそんなに慎重なのかっていうのにも考えがあって、それも非常に分かるんだけど、やっぱりたまには開発者の好きなように作らせてあげないと駄目なんじゃなイカ? なんて思っちゃったりしたのでした。

とにかく今年の後半はこのゲームで遊びまくりますよ。ドラクエ10とどう両立していけばいいのかだけが悩みです。

Splatoon(公式サイト)
社長が訊く『Splatoon(スプラトゥーン)』…開発秘話が語られているんですが…必読です。開発途中のキャラクター案が公開されるのは異例なのでは。「なぜイカなのか?」 という疑問にも、「なぜマリオはオーバーオールを着たヒゲオヤジなのか」という疑問と同様に、ちゃんとゲームシステム上からの必然性を伴う答えがあるのがやっぱり任天堂です。

amiibo トリプルセット[ガール/イカ/ボーイ](amazon)…Wii Uのゲームパッドにかざすことでちょっとした追加コンテンツを楽しむことができるフィギュアです。こちらはセット品ですが単品(ガール/ボーイ/イカ)もあります。ただどれも品切れで転売屋が跋扈してますのでAmazonにリンクしてもあまり意味ないかも(ついでにソフトも品薄っぽい)。なお、メーカー希望小売価格はセットが3000円+税、単品が各1200円+税です。僕はセットを買いましたが文句なしのクオリティですよ。まだ未開封ですが。だってパッケージを破くのに抵抗が…。

TOPICSアニメ

「カリメロ」の新テレビアニメシリーズが10/7、朝7:30からテレビ東京系の放送局にてスタートします。

カリメロは1963年にイタリアで生まれた黒いヒヨコのキャラクターで、頭にかぶった殻がチャームポイント。
日本では1974年にテレビアニメシリーズが製作・放送され人気となった後、17年後の1992年にも新シリーズが作られていました。昨年で誕生から50周年を迎えるということで3度目のアニメ化となったようです。前作から21年の歳月を経ての放送となるので、インターバルが果てしなく長いものの、息の長いキャラクターになりました。

前2作は日本で製作されていましたが、今回はフランスのゴーモンアニメーションというところが製作したようです。今作の特徴としては3DCGアニメーションになっていること。カリメロの他にもプリシラやピーターなど、おなじみのキャラクターたちが登場するようですが、CGになってちょっと新鮮な印象になっています。

昨年のアヌシー国際アニメーション映画祭でその映像が初公開され、同時期に日本でも放送予定であることが発表されていたのですが、その後あまり情報がなく、いつ放送するのかなぁ…なんて思っていたのですが、いつの間にか放送日が決まっていて危うく見逃すところでした。

一体どんな作品になっているのか、21世紀のカリメロの活躍が楽しみで、今からわくわくなのです。

『カリメロ』CGアニメで復活 テレ東で10・7スタート(ORICON STYLE 2014.9.1)
テレビ東京、日欧共同製作アニメーション「カリメロ」新TVシリーズに出資 講談社も参加(アニメ!アニメ! 2013.6.14)

カリメロ(テレビ東京公式サイト)…ちなみに15分番組です。
カリメロパーク(ファンサイト)…しれっとリンクしてみましたが、かつて僕が作って現在絶賛放置中になっているファンサイトです(そう、僕はカリメロファンなのですよ)。せっかくなので今回の件の情報と、現在キデイランド原宿店で先行販売されているカリメログッズについての情報を掲載しておきました。

TOPICS新キャラ

東京ディズニーシーで活躍するくまのキャラクター、ダッフィーに新しいおともだちができました。

2010年に登場したシェリーメイ以来、4年ぶりとなる新キャラクターの名前は「ジェラトーニ」。淡いエメラルドブルーの毛色と長いしっぽが特徴の、絵を描くのが大好きなねこの男の子です。

ダッフィーのおともだちと聞いて、またくまキャラが増えるのかと思っていたらねこだったのでちょっと新鮮に感じました。
 

公式のストーリーによると、ダッフィーがお散歩中にジェラートを落としてしまったところ、ジェラトーニが現れてそのジェラートを使って絵を描き始めたことをきっかけにおともだちになったそうです。

ダッフィーとシェリーメイはミニーがミッキーのために作ったぬいぐるみということでしたが、今回のストーリーを見るかぎりジェラトーニはミニーとの関連は特になさそうです。だけどダッフィーと同じく足の肉球がミッキーのシルエットになっているし、ぬいぐるみ的存在なのは間違いないのかな? そのへんはちょっと謎ですが、想像して楽しむ余地として受け止めるのがよさそうです。
 

今回のジェラトーニの発表に先駆けて、東京ディズニーシーでは6月上旬よりメディテレーニアンハーバーにあるパラッツォ・カナルの壁面にダッフィーとジェラトーニの絵を徐々に描いていき注目を集めるという手法を展開。あわせて公式サイト上に特設サイト「パラッツォ・カナルの噂」を開設し、TwitterやYoutubeを使って徐々に真相が明らかにされるという仕掛けを行いました。

そして6月30日にホテルミラコスタにて開催したファンイベントを開き、Twitterを通して募集した200名の参加者の前で全貌を初披露。更に参加者全員にジェラトーニのぬいぐるみをプレゼントするというサプライズもあったそうです。

まさにリアルとネットの両面を駆使したバイラルマーケティングといった感じですが、1キャラクターのお披露目にここまで手の込んだことができるのはさすがディズニーといったところですね。

グッズ等の販売は7月4日から。現在のところキャラクターグリーティング等への出演などについてはまったく予定していないそうなんですが、人気が出てくればパーク内で会える日も来るのかもしれません。そうなればいずれは「マイ・フレンド・ダッフィー」に登場するようになったりする日も来るかも? 今後の活躍に期待です。
 

ダッフィーの新しいお友達は猫のジェラトーニ!ハッピーファンイベントをレポートします。(東京ディズニーリゾート・ブログ 2014.6.30)
「チャオ!」ボクの名前はジェラトーニ ダッフィーの新しいお友だちのグッズが 東京ディズニーシーで2014年7月4日から販売(オリエンタルランド 2014.6.30)…2人が出会った場所は南ヨーロッパをモチーフにしたエリアなので、ジェラトーニもそれにあわせてイタリア風のイメージになっているみたいです。
ダッフィーの新しいお友達判明、長いしっぽのネコ“ジェラトーニ”(Narinari.com 2014.6.30)

ダッフィーの新しいお友だち ジェラトーニ(東京ディズニーシー公式サイト)

TOPICS漫画

漫画家の鳥山明さんが昨年「週刊少年ジャンプ」誌上で連載していた作品が単行本になりました。鳥山さんがジャンプで連載作品を描いたのは13年前の「SAND LAND」以来というから驚きです。もうそんなにたっていたんですね~。

銀河パトロール ジャコ
銀河パトロール ジャコ/鳥山明(amazon)
集英社 2014.4.4発売 440円+税
ISBN:978-4-08-870892-8

銀河パトロール ジャコ 特装版
銀河パトロール ジャコ 特装版/鳥山明(amazon)
集英社 2014.4.4発売 907円+税
ISBN:978-4-08-908204-1

ご覧のとおり、通常版と特装版の2形態での販売になっていて、特装版には特典として「飛び出す!ARポストカード」「’ジャコ’ラバーキーホルダー」「スーパーエリートバッジ」の3アイテムが封入されています。それだけ聞くと、そんなのいらないから通常版でいいやとなりがちですが、実は通常版と特装版では本のサイズも違うんですよ! 通常版は一般的な少年漫画の単行本と同じ新書判だけど、特装版は二回りくらい大きいA5判になっています。となると買うなら特装版一択でしょう! 鳥山さんの絵を大きい判で読める贅沢は何物にも代えがたいです。

「ドラゴンボール」以降、「COWA!」「カジカ」「SAND LAND」と、単行本1巻で収まる短期集中連載を散発的に発表してきた鳥山さんですが、今作もその流れを組む作品になっています。銀河の平和を守るため、宇宙からはるばる地球までやって来たちょっと変わったキャラクター、ジャコ。そして人里離れた孤島で特殊な研究に没頭する老いた科学者の大盛という、鳥山作品以外ではまずあり得ない組み合わせの主人公2人が出会うことで物語が始まります。

銀河パトロール隊という組織に属しているというジャコは、地球が悪い宇宙人に狙われているということで送り込まれてきたわけなんですが、どうも人類の危機を救うという強い意志があるわけではないようなんですね。なので地球人は救うに値しないとして、宇宙人が来る前に自分で絶滅させてしまおうなんてコワいことを言い出したりもします。こういう地球人と宇宙人の価値観の違いをさらっとコミカルに描いているところが面白いです。
他にもジャコには独特の美的感覚にこだわりがあって、それを老科学者の大盛が突っ込んだり、突っ込み放棄したりしながらおはなしが進んでいきます。

少ないながらも脇役キャラクターも登場するのですが、中でもスーツ姿のヒール役、固茹玉吾郎はなかなかいい味出してました(ドラクエ10にもこういうキャラほしいってちょっと思ってしまいました)。もうちょっと活躍の場面があればよかったけどページ的に考えたら無理かぁ。

あと「ネコマジン」シリーズの一部作品もそうだったけど、世界観を「ドラゴンボール」と共通にしているんですね。なのでところどころにドラゴンボールでよく見た固有名詞が出てきたりするところも楽しいです(東の都とか)。
更に単行本描き下ろしのおまけとして「DRAGON BALL-(マイナス) 放たれた運命の子供」という16ページの作品が掲載されています。これはドラゴンボールの主人公、悟空がどういう経緯で地球へとやってくることになるのかを描いたもので、悟空の父バーダックはもちろん、母親も初めて漫画に登場しています。今になってこういう漫画を描いてしまうあたりに、鳥山さんの「ドラゴンボール」という作品に対する強い思い入れを感じました。ジャコ本編終盤に明かされる、あっと驚く展開とともに注目です。

鳥山さんは週刊連載はもういいなんで言ってたらしいですが、そんなこと言わずに、気が向いたらでいいのでまた描いてほしいです。こんなにわくわく感の詰まった絵を描けるのは鳥山さんだけだと思うので。
 

鳥山明「銀河パトロール ジャコ」、桂正和との共作と同発(コミックナタリー 2014.4.3)
鳥山明の最新作「銀河パトロール ジャコ」が4月4日発売 悟空の母親が初登場(アニメ!アニメ! )
鳥山明先生13年ぶりの「週刊少年ジャンプ」連載作品が遂にコミックス化!!通常版と特装版の2バージョンで登場!!(出版社の特設ページ)…ジャコの発売とともに一部の過去作品が鳥山さん描き下ろしコメント入りの新規帯付きで重版。その帯が掲載されています。近作の中では「SAND LAND」の人気がいちばん高いみたいですが、僕は「COWA!」が大好きなんですよね~。あの世界観いい! 帯によると鳥山さんもいちばん好きなんだって!

鳥山明初の絵本「てんしのトッチオ」発売(2003.1.23)

TOPICSBOOK

アランジアロンゾがキャラクターの描き方についての本を発売しました。

わたしだけのマイキャラクターの描き方
[本]わたしだけのマイキャラクターの描き方/アランジアロンゾ(amazon)
大和出版 2013.11.16発売 1200円+税
ISBN:978-4-8047-6224-1

アランジアロンゾと言えば、愛知万博の「モリゾー&キッコロ」やたまごクラブ・ひよこクラブの「たまちゃん」「ひよちゃん」など、有名なキャラクターもいろいろと手掛けていますが、この本にはそういったヒットキャラクターを生み出すノウハウが書かれている…、というわけではありません。

この本で書かれているのは自分だけの”マイキャラクター”の描き方。らくがきを描くように自分だけのキャラクターを楽しみながらどんどん作っちゃおうっていうスタンスの本なんですね。

なので特別な手法が書かれているわけではないんだけど、適当な落書きをベースにしながらちょっとしたステップを踏んでいくことで、自分の中にある世界やバリエーションを広げていくことができるよってことがさっくりと説明されていて、「キャラクターを作るのってこんなに簡単でいいんだ!」と背中を押してくれる内容になっています。

この本では何度も、面倒なことは考えなくてOK! 下手で大丈夫! と書かれています。
本来ならクリエイティブな行為って頭を使うし、センスも技術も、それから根気もそれなりに必要だったりします。
でも、キャラクターを作るっていう行為については必ずしも当てはまらないっていうか、もちろん、多くの人にメッセージを発信するための目的を持ったキャラクターを作ろうってなると、全然違うんだろうとは思うんですが、基本的にフリーダムじゃないですか。誰でも作れて、自由で楽しくてかわいくて…っていう、「キャラクター」のそういうところが好きだったんだよねと、そんな気持ちを改めて呼び起こしてくれました。

あと、本の中ではアランジキャラの描き方を解説したページやよむらさんが子供の頃作ったキャラクターを紹介したページなんかもあったりして、ファンの方なら更に楽しめますので要チェックです。

[本]わたしだけのマイキャラクターの描き方(出版社の紹介ページ)…出版社の公式ツイッターによると、以下の書店で販売されている初版本には表紙になってる「たれみみちゃん」のオリジナルポストカードがついてくるそうです。近所の本屋で買った後に気づいたよ…。

【首都圏】紀伊國屋書店豊洲店・新宿店、旭屋池袋店、紀伊国屋ららぽーと横浜店、有隣堂ルミネ横浜店
【東北】紀伊国屋仙台店
【関西】紀伊国屋梅田店、旭屋天王寺MIO店
【中国】紀伊国屋広島店

アランジネット(アランジアロンゾ公式サイト)

おまけ・最近のアランジアロンゾの本(リンクはAmazon)
[本]アランジアロンゾ…宝島社のバッグ付きムック
[本]ミミ&リリ フエルトマスコット大作戦…ストーリー仕立てでマスコットの作り方を掲載。メディアファクトリーより。
[本]フェルトのこもの…フェルト小物の作り方の本。文化出版局より。

[本]カッパでもどうにかやっている/アランジアロンゾ(2007.4.2)