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10/4から東京オペラシティにあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)にて「HOW TO COOK DOCOMODAKE?」と題されたドコモダケのアート展が開催されましたので見に行ってきました。

ちなみに、この展覧会は昨年10月にニューヨークで開催されていたものを、今回日本に持ってきたというかたちになっています。

入り口 
▲会場の入り口です。東京オペラシティは新宿から少し離れた、初台駅に直結した場所にあります。ここには以前にも来たことがあったのですが、ICCに足を踏み入れるのは今回が初めてです。床が綺麗でした(←どうでもいい感想)。

ドコモダケの山 
▲場内に入ると、山のように積まれたドコモダケのぬいぐるみがお出迎え。

今回の展覧会は、題名にあるようにドコモダケをアーティストが自由に料理するとどうなるか? というのが展覧会の趣旨なんだと思うんですが、展示されている作品を見るとなぜか申し合わせたような共通点があるんですよね。ほとんどの作品がどこかしらグロテスクなんです。現代アートの世界の流行か何かなんでしょうか。それともドコモダケという茸のキャラクターが潜在的に備えているイメージなのか。その辺は謎ですが、かわいいイメージのキャラクターがグロく料理されていて、公式にお披露目されているという光景は、確かに面白くはあります。

ドコモダケネックレス
▲ドコモダケの傘と柄を分離させて紐を通してネックレスにした作品。

ドコモダケとの融合 
▲ドコモダケとの融合を目指した作品。

ぶつ切りドコモダケ
▲ドコモダケが文字通り料理されています。生卵を乗せられたり、ぶつ切りされたり、トマトケチャップをかけられたり…。

炭化ドコモダケ
▲炭になったり、溶けたり、スライスされたり。

ドコモダケが普段どんな暮らしをしているのかは知りませんが、上のようにケチャップを掛けられたり切られたりしても、なんとも思わず普段通り生活しそうな強さを感じました。どんなに料理されてもドコモダケはドコモダケであり続けるということなのかもしれません。

このイベントは入場無料なんですが、場内にはスタッフの方が常時5、6人にて、作品について解説してくれたりもします。そういうところに資本力っていうんですか、NTTグループの余裕と力を感じざるを得ないイベントでもありました。10/13まで開催中となっております(10/6は休館)。

HOW TO COOK DOCOMODAKE?
ムスメドコモダケが結婚(2008.6.23)

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ヘッドラインには書きそびれてしまっていたのですが、8/22から昨日(9/11)までの期間、渋谷ロフトにて「POP BOX -祭-」というイベントが開催されておりまして、最終日の昨日に行ってきたのでした。

これは新宿にあるグッズショップ兼ギャラリー、FEWMANYがプロデュースした催しで、新進気鋭なクリエイターの方達の作品を小さなボックスに区切って展示・販売しているというものなんですね。今回が2回目の開催となります。

イベントに参加されているクリエイターの方達は元々FEWMANYにゆかりのある方なんだと思うんですが、実はそっち方面の方には全然詳しくないんですよね。今回も30組近い方がボックス展示されていたようですが、その中で過去にこのサイト内で触れたことのある方というと、デビルロボッツ、タケヤマ・ノリヤさん、デハラユキノリさん、NEKONOKOさん、マッシュルームカフェ、浦山亜由美さんくらいでしょうか。なので僕にとっては普段触れない作家さんたちの作品がたくさん見られるところが新鮮で楽しいイベントだったりします。

今回見た中で、特に目を引いたのはヨシカワナオヒデさんのイラスト。独特の透明感のあるイラストだなぁと思いましたです。サイトを見てみると色は指で塗ってるらしいですね。

あと、なにげにコンドウアキさんが「ニャーおっさん」のイラストを展示されていました。今はなきキャラクターサイト「chara.cc」のマスコットキャラクターだったニャーおっさんですが、また日の目を見る日はやって来るのでしょうか…?

冊子 
▲会場で配布されている冊子。左は前回のものです。

こうしてたくさんの方達の作品に触れると、ただただ「すごいなー」という感想になっちゃいますね。みなさん、自分の掴んだものを信じて、研ぎ澄まして、世界を構築していますもんね。

それに比べると僕なんかは元々何も掴もうともしていないし、たまたま何か手に引っかかったかと思えば、「これは泥だんごなんじゃないか」と疑って、すぐに手放してみたり、「そのうちきれいな水晶玉が手に引っかかるんじゃないか」なんて思ってぼーっと待ってみたりしているだけですもんね。最初から水晶玉を掴む人なんていないのにね。

と言うことで最後はなんだかよく分からん話になっちゃいましたが、また次回開催されるようなことがあれば、今度はライブペイントなどのイベント開催中に見に行ってみたいなと思うのでありました。

POPBOX-祭- 渋谷ロフトにて…FEWMANYによる特設サイト。ライブペイントなどのイベントの模様や、各ブースの様子などが公開されています。

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7/19から公開中の宮崎駿監督作品の最新作、「崖の上のポニョ」ですが、池袋サンシャインシティでは映画公開前の7/17から7/30まで「崖の上のポニョ展」というのをやっておりまして、公開初日に映画を見たあと、続けて見に行ってきたのでした。

(以下の内容は若干ネタバレを含んでいる部分がある(+無駄に長い)のでたたんでおきます。続きは下の「続きを読む」をクリックしてください)

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昨日、うるまでるびの展覧会「ア・ラ・モード」を見に行ったので報告しておきます。

うるまでるびは、コンピュータを使ったアニメーション作品などを発表されている夫婦のアーティストユニットで…、なんて説明するよりも「おしりかじり虫」の生みの親と言った方が早くなっちゃったあの方たちです。

会場は昨年渋谷パルコに新しくできた「パルコファクトリー」。ここははじめて行ったんですが、以前あった「パルコミュージアム」よりも狭くなっているような気がしました。まあそのへんはパルコもいろいろあるねと言ったところでしょうか。

パルコB1
(↑この写真は会場内のものではなくて、B1のエスカレーター脇にあるスペースにあった展示です。)

入場するとはじめに目に入るのが、うるまでるびを代表するキャラクターたちの立体展示。「おしりかじり虫」はもちろんの他、「ウゴウゴルーガ」に出てきた「しかと」ももちろん展示されていてちょっぴり感動。そして会場内にはたくさんのラフスケッチ(というか落書き)がたくさん展示されていました。作品の原案になったようなものから、日頃の伝言メモとして描かれたイラストなんてものまで。中には手にとって見られる没絵コンテの原画などもあり、発想の軌跡を辿っているようでなかなか見ごたえがありました。「ほぼ日刊イトイ新聞」で長年連載されていた「うるまでるびののぞきあな」の原画もありました。これは0.9mmのシャープペンシルで描いていたそうです。

シアターゾーンでは、これまで制作されてきた数々の短編アニメーション作品を30分に凝縮して上映されていました。うるまでるびファンを名乗りながらも、全然知らないキャラがたくさんいたり。ニコロデオンで番組の合間に放送されているらしい「テテメテ」という作品もはじめて映像を見たんですが、奇妙な見た目とほのぼのした世界観がなぜかマッチしていて、いい作品だなぁと思いましたです。あとそう言えば「おしりかじり虫」の映像もちゃんと全部見たのははじめてだったり。全然ファンとしてダメですね、ははは…。

そして注目なのがうるまでるびが主導となって開発しているお絵かきソフト「うるまでるびペイント」の体験展示。このソフト、ただのお絵かきだけじゃなくて描いた絵を簡単にアニメーションさせることもできるんですね。実際に触ってみましたが、ホントに簡単でちょっと感動でした(描いた絵は恥ずかしいのですぐ消しました)。

こうしていろんな作品に一度に触れると、1つのテーマのようなものを感じてきました。圧倒的なハッピーな感じを。「おしりかじり虫」はおしりをかじって人をハッピーにさせるキャラクターですが、それってうるまでるびが作品を通して感じてほしいことでもあるんじゃないかなと思ってきたわけです。
というわけで、会場を出る頃にはすっかりハッピーな気分になって帰ってきたのでした。って、もしかしていつの間にかヤツにおしりをかじられていたのかも…?

レッツゴー!うるまでるび(公式サイト)…展覧会の様子はブログに掲載されています。

[本]おしりかじり虫ものがたり かじりのがっこう/うるまでるび(amazon)
[本]おしりかじり虫ものがたり2 だいすきプリン/うるまでるび(amazon)…「おしりかじり虫」では、うるまでるびが絵と文を手掛けた創作絵本がバジリコより発売されています。1作目は昨年10/31、2作目は今月6日発売(会場では先行販売中)。

関連トピックス:
[DVD]a long day of Mr.Calpaccio(2005.9.14)…Mr.カルパッチョも会場のシアターでも上映されています。久々に見たけどやっぱりよかったです。ちなみにリンク先で紹介した当時はまだ公式サイトでの販売のみでしたが現在は市販されています。→amazon

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やっとこさメディア芸術祭に行ってきた時の話の続きをお送りします(前回はこちら)。前回はアート部門とエンターテインメント部門についてでしたので、今回は残りのアニメーション部門、マンガ部門についてとなります。
 
 
まずはアニメーション部門。大賞作品となったのは原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」。でもこの作品はまだ見ていないんですよね。気になる作品ではありますので、また今度DVDでもレンタルして見てみたいと思います。

そして優秀賞を「うっかりペネロペ」が受賞。原作のイメージをあそこまで忠実にアニメーションにしてしまうとは、素晴らしい技術ですよね~。とか言いつつも実はこの作品もほとんど見たことなかったり。昔はあんなにペネロペ好きだったのに~。これもDVDレンタルしないとなー。

同じく優秀賞の「電脳コイル」も文句なしの受賞でしょう。こちらは昨年超はまりまくりでしたよ。1話完結じゃなくて、ストーリーものになっているテレビアニメを見たのなんて本気で久しぶりでした。たぶん「ドラゴンボール」以来くらいですよ。僕もアニメでこんなに熱くなれるんだと再発見させてもらいました。ちなみに今回のメディア芸術祭のポスターの中には、いろんな作品の写真がちりばめられているものがあるんだけど、その中で「電脳コイル」の”顔のヒゲ同士が核戦争をおっぱじめるシーン”が選ばれてて笑いました。選んだ人、わかってるなー。

そしてこれも同じく優秀賞の「カフカ 田舎医者」。僕の好きなアニメーション作家、山村浩二さんの最新作ということで、今回会場で見たんですが、これがね、全然わからなかった! 最初から最後まで、びっくりするくらい。隣のシアターの音がうるさくて聞きづらかったからというのもあったのかもしれないけど、少なくとも「頭山」や前作の「年をとった鰐」のようなわかりやすい作品ではなかったです。それかやっぱりお金払って見てないから頭が真剣モードにならなかったのかも。

奨励賞に選ばれていた「ウシニチ」という作品も素晴らしかったです。なにやらかわいらしい感じの作品なんですが、この世界観は出そうと思って出せる次元じゃないと思いましたです。ただシュールと言うだけでは足りない魅力がありました。この魅力についてもうちょっと考えてみたいと思わせられる作品でした。
 
 
そして最後のマンガ部門の大賞は郷田マモラさんの「モリのアサガオ」という死刑を題材にした作品でした。この作品は未読でしたけど、読んだことのあるものとしては武富健治さんの「鈴木先生」が優秀賞に、石川雅之さんの「もやしもん」と、イケダケイさんの「全力ウサギ」が審査委員会推薦作品として選ばれていました。「全力ウサギ」は4コマ漫画ですが、キャラクターブック的なニュアンスも強い作品なので、数ある漫画作品の中からこういった賞に選ばれているのを見ると嬉しい気もします。
 
あと、今回から会場が変わったので、今まであった漫画を読めるスペースなくなってるのでは…? と、ちょっと不安だったのですが、ちゃんとありました。昨年はここであずまきよひこさんの「よつばと!」を黙々と読んだわけなんですが、今回は桜玉吉さんの「御緩漫玉日記」を読みました。玉吉さんの作品で描かれている世界って独特ですよね。鬱を通り超えた先にある笑いの彼岸とでも言うような世界。いつかは買い揃えたい作品です。
 
 
そんな感じで展示も見終わったわけですが、1つ大事なことを忘れていましたよ。この美術館、地下鉄乃木坂駅と直結しておりまして、そっちから入ってしまうと建物の外観を見ずに中に入ってしまう構造になっているんですね。このまま帰るわけにはいかないということで、すっかり外は真っ暗になっていましたが、出る時は正面にまわって、外観を眺めてから帰りました。中も吹き抜けがすごかったけど、外から見ても迫力ありますね。「黒川先生、あんたはすごいよ…」と思いながら帰途についたのでした。

国立新美術館外観

第11回文化庁メディア芸術祭(公式サイト)

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今年もこの時期がやってきた! というわけで2/6~17まで開催されている「第11回文化庁メディア芸術祭」に行ってきましたよ。

このイベント、これまで恵比寿にある東京都写真美術館で行われていたんですが、今年からは国立新美術館に場所を移しての開催となっているんですね。国立新美術館と言えば昨年大活躍の上にお亡くなりになってしまった黒川紀章さんが設計した特徴的な外観を持つ建造物としてもおなじみです。前から1度見てみたかったので、そこにも期待しつつ行ってきたのでした。

ではさっそく見てきた作品の感想を書いていきますが、まずはアート部門。大賞を取った「nijuman no borei」は原爆ドームを写した膨大な写真を使った作品です。建設中当時のものから現在のものまで、あらゆる角度から撮影された写真がドームの位置を固定した状態で時系列に重ねられていく圧巻の映像作品でした。ただ、サイトの説明文を読んでイメージしたそのまんまの内容だったので、その点はちょっと押しが弱く感じました。優秀賞になっていた佐藤雅彦+ユーフラテスの作品もすごいと思ったけど、想像通りの印象。そんな中、奨励賞に選ばれていたドイツ在住の台湾人の方の作品「Super Smile」は面白かった。これもイメージ通りの作品といえばそうなんだけど、普通に部屋の中で暮らしているだけの映像が、被撮影者が常に笑顔でカメラ目線の状態になるというだけでここまで異様で笑えるものになるとは予想外でした。

続いてエンターテインメント部門。大賞は任天堂のゲームソフト、「Wii Sports」が受賞。まあ、これは受賞しなければ嘘でしょ、という話ではありますが。
この部門では審査委員会推薦作品に目を引くものが多かったです。噂では聞いていましたが、今の時代になぜか1からファミコン用ソフトを手作りしてしまった「ミスタースプラッシュ!」という作品。プレイヤブル展示されていましたが、本当にファミコンゲームでした。この情熱はすごいね。
あとはソフトクリームのキャラクターが潰れつづけるだけという短編アニメーション、「ソフトさんの悲劇」。この作品がアニメーション部門ではなくエンターテインメント部門として分類されていると言うことは、アニメーションというより「ソフトさん」というキャラクターが作品としての評価対象となっているということなんでしょうね。キャラクターサイトの管理人としては今後に期待できそうな流れですよ。うん。ソフトさんの作品自体はきちんと作られた完成度の高い作品で、「きっと頭のいい人が作ったんだろーなー」っていう印象を受けました。ただ、僕的には「これ作った人狂っとるな」くらいに思わせて欲しかったような気もしたんたけど、そのへんは好みの問題かな。
あと「サウンドキャンディ」という作品もちょっと気になったけど調整中でした。残念。

そしてアニメーション部門、マンガ部門へと続いていくんですが、書いているうちにやたら長くなってしまいましたので、ひとまず今日のところはこのへんで一区切りにしておきます。ではお休みなさい。