HOME > アーカイブ > 2012-04-03

第15回文化庁メディア芸術祭に行ってきた

ちょっと上げるのが遅いんですが、2/22から3/4まで国立新美術館にて開催されていた第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展に行ってきた話です。毎年、感想的なエントリーをちゃんと書こうと思っているんですが、ここ何年かはしっかり書こうとしすぎて挫折が続いているので、今回はざっくり適当に書いていきますよ。

ところでメディア芸術祭という賞そのものについてですが、僕は(毎年話題にしていることからもお分かりのとおり)すごく好きなんですよね。なんか、混沌としているところが。メディア芸術って言う言葉自体、定義が曖昧でなんだかよく分からなくて、そんなものを国が堂々と掲げながら開催しているところが好きです。

というわけで展示作品の中から個人的に気に入った、または気になった作品をいくつか紹介してみたいと思います。

「HIMATSUBUSHI」植木秀治(アート部門新人賞)
僕的にはこの作品がいちばんヒットでした! 新幹線からの車窓風景が延々と収められた映像なんですが、よく見ると全身白タイツの人が建物の屋根から屋根へと飛び移りながら並走してる…というおもしろ作品です。
そういう妄想って暇で暇で仕方ないときとかに1度くらいやったことあるという人もいるんじゃないかと思うんですが、それを60分以上もの尺で実際に作っちゃうっていうのがとにかくツボでした。途中、トンネルに入ってずーっと真っ暗なシーンが続くという、映像作品としては通常あり得ない状態になったりもするんですが、それもカットは一切しないで遊び心のある演出が施されているのが楽しかったです。

「particles」真鍋大度/石橋素(アート部門優秀賞)
かなり大がかりな作品です。たくさんの光るボールが螺旋状のレールの上を転がっていくんですが、光のタイミングに様々なパターンがあって、それによって幻想的な光景が浮かび上がってくるというもの。ずっと見てても飽きない不思議な魅力がありました。

「SPACE BALLOON PROJECT」大八木翼/馬場鑑平/野添剛士/Johon POWELL(エンターテインメント部門大賞)
サムスン電子のスマートフォンを特殊なバルーンに載せて、TwitterやUSTREAMを駆使して成層圏からみんなのメッセージを発信するという今っぽい企画。□□□の音楽が合ってますね。

「べろべろ」田中秀幸(エンターテインメント部門優秀賞)
グループ魂のミュージックビデオ。歌舞伎町の街を毛むくじゃらの謎キャラが闊歩するというほぼワンカットで構成された作品です。かわいく毒っ気のあるキャラと夜の街、そしてこの歌声という一体感がすごいです。

「All Is Not Lost」大八木翼(エンターテインメント部門審査委員会推薦作品)
アメリカのバンドOK Goのインタラクティブミュージックビデオ。詳しくは実際にGoogle Chromeからこちらのサイトをご覧頂くと早いんですが、ブラウザを複数窓使った演出が楽しい作品です。一瞬ブラクラかと思ったのはナイショ。

「マイブリッジの糸」山村浩二(アニメーション部門優秀賞)
山村浩二さんの最新作。1度見ただけだと分からないという触れ込みでしたが、本当にさっぱり分かりませんでした(笑)。てっきり会場でエンドレス上映されてるのかと思ったらメイキングだけで、本編は上映イベントのみだったんですよね~(ちゃんと恵比寿に観に行っておけば…)。顔の部分の数字がくるくるするシーンはすごく山村さんっぽいと思いました。
映画『マイブリッジの糸』予告編(YouTube)

「やさしいマーチ」植草航(アニメーション部門新人賞)
相対性理論の楽曲「ミス・パラレルワールド」にあわせて作られたポップなアニメーション作品。この曲は実写のPVも好きなんですが、これはこれでまた違ったイメージを想起させられるのがいいです。違う作品も見てみたいなと思いました。

「rain town」石田祐康(アニメーション部門新人賞)
昨年「フミコの告白」で優秀賞を受賞した石田さんの卒業制作として作られた最新作。「フミコ~」が動だとするとこちらは静といった趣の、がらっと変わった世界観が紡がれています。自身のブログで制作過程が惜しげもなく公開されているのも一読の価値あり。今後、どんな方向性の作品を届けてくれるのかが非常に楽しみな作家さんです。
rain town :Graduation film(YouTube)

「これくらいで歌う」椙本晃佑(アニメーション部門審査委員会推薦作品)
日常の中のいろんな可能性…みたいなものを表現したミュージックビデオ。いいですね、これは。歌声も相まって、切なさをすごく感じます。
自主制作アニメ ハンサムケンヤ「これくらいで歌う」(YouTube)

「ホリデイ」ひらのりょう(アニメーション部門審査委員会推薦作品)
ひらのさんはOmodakaのミュージックビデオ「Hietsuki Bushi」でエンターテインメント部門新人賞も受賞。こちらは短編アニメーション作品ですが、オリジナリティ溢れる世界観が素晴らしいです。この昔の漫画っぽいキャラクターデザイン、独特ですよね。イモリが叫ぶ「お~い!」のリフレインが耳に残りました。
「ホリデイ」予告編.mov(YouTube)

「PLUG, THe NeW WORLD」合田経郎(アニメーション部門審査委員会推薦作品)
「どーもくん」でおなじみ合田経郎さんによる日産のキャラクター、PLUGのアニメーション。でもなんだろう、上の作品たちとの並びで見たら、綺麗に作られすぎててちょっとつまらない気もしてしまいました。まあ、むちゃくちゃわがままな話です(笑)。
PLUG, THe NeW WORLD_JP(YouTube)

「BONNIE」岡本将徳(アニメーション部門審査委員会推薦作品)
野外の風景を背景に、画用紙を切り抜いて作られたキャラクターがアニメーションするという作品。現実の中にある非現実な感覚が心地いいです。
BONNIE(YouTube)

「ようこそぼくです」姫田真武(アニメーション部門審査委員会推薦作品)
頭のいい人が無理してこんなことやってるんだろうなぁっていうのが垣間見られて痛々しい気分になるのも狙ってやってるんでしょうか。キライではないけど、もっとガチの狂気を見せてくれた方が好みかなぁ。でも繰り返し見ると中毒性高そうかも。
ようこそぼくです(YouTube)

「土星マンション」岩岡ヒサエ(マンガ部門大賞)
この作品、1巻だけ持っているんですが、あまりはまらなくて以降は読んでなかったんですよね。なので大賞受賞というのが意外でした。もう一度読んでみた方がいいのかな。

「あの日からのマンガ」しりあがり寿(マンガ部門優秀賞)
しりあがりさんらしい作品ですよね。自分に偽りなく動くことがこういった作品を描くことだったんだなぁと。「海辺の村」のあの見開きを見たときの、なんとも言えないぞくっとした感じは他では味わったことのない感覚でした。

「ママはテンパリスト」東村アキコ(マンガ部門審査委員会推薦作品)
やっぱり売れてる漫画は面白いね~。三つ子の魂百までとは言うけど、3歳どころか2歳の時点でこんなに明確に個性ってあるもんなんだとびっくりしました。本人に内緒で母親のことをブタ呼ばわりするという、ごっちゃんの発想に脱帽です。

「進撃の巨人」諫山創(マンガ部門審査委員会推薦作品)
こちらも人気作品ですが、面白いですね。勢いがあって。ただその分、雑な箇所が気になるという指摘もあるようだけど、僕はそういうところも含めて肯定したいです。やっぱり漫画の世界ってすごいんだなと。

以上です。全体の感想としては若いクリエイターの面白い作品が増えたなぁという印象。特にアニメーション部門は個性的な作品が多くて楽しめました。YouTubeにUPされている作品にはリンクしたので、イベントに行けなかった人にも見てほしいなと。一部、おまえは何様なんだと言いたくなるような上から目線の感想になっちゃいましたが、来年もこんな感じでざっくり書ければと思います。

文化庁メディア芸術祭(公式サイト)

第13回文化庁メディア芸術祭 功労賞受賞者シンポジウムに行ってきた(2010.2.6)

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