暑いですね。

  • 2018年7月31日(火)23:53
  • [MEMO]

気がつけば今月ももう終わりですね。思い出としては、とにかく暑かったなぁという記憶しかありません。毎年エアコンはギリギリまで我慢してしまう僕ですが、あの連日の酷暑にはさすがにギブアップしてしまいました。やっぱり空調大事です。

ただ、このご時世はあまりよくないという話ですが、寝るときはエアコン止めています。というのも、いつも気を失うように寝てしまうので、暑くて寝苦しいっていうのがあまりないんですよね。さらに、これを人に話すと「バカなの?」と怒られてしまうんですが、掛け布団をね、ちゃんと掛けて寝てるんですよ。しかも冬に使っているのと同じやつ(もちろん服も着ています)。これってやっぱりバカなんでしょうかね…。

他にも今月は西日本で発生した豪雨や、日本列島を東から西へ横断するという意味不明な台風やら、奇妙な気象現象が多かったですね。6月に発生した大阪の地震の印象が霞んでしまったけど、あれだって震度6弱の甚大な災害でしたし、いろんなことが立て続けに起こりすぎて訳わかんなくなってきますね。いくら災害大国だと言っても多過ぎなのでペースダウンしてほしいです。

第21回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展に行ってきた

今年のメディア芸術祭の受賞作品展は6月13日~24日開催ということで、今回もたっぷり見てきました。
(2018.7.1追記:写真と、映像作品の感想を追加しました)

毎年、展示だけでなく映像上映や関連イベントもできるだけ参加するようにしていて、今回も気になったものはだいたい参加することができました。主な参加イベントは以下の通り。

・エンターテインメント部門 大賞受賞者トーク:上田文人『人喰いの大鷲トリコ』
・アニメーション部門大賞『夜明け告げるルーのうた』トーク付上映
・アニメーション部門大賞『この世界の片隅に』トーク付上映
・功労賞・竹内オサム ビランジを通して語るマンガ研究の世界

上田文人さんのトークイベントは、なかなか生でお話を聞く機会なんてないと思うので参加できてよかったです。土曜日ということもあってか、講堂の席がぎっしり埋まるほどの人気でした。

『夜明け告げるルーのうた』のトークでは監督の湯浅政明さんが登場。湯浅さんのお話を聞くのは8年ぶりでした。

『この世界の片隅に』のトークは監督の片渕須直さんと、主役のすずを演じた女優ののんさんが登場。のんさん、直視できないくらいキラキラしてました。

漫画研究家の竹内オサムさんのトークでは、批評・評論とはまた違う、地道なデータを積み重ねる漫画研究の重要性について貴重な話が聞けました。

それぞれ、ちゃんとメモも取ったので、また改めて個別にまとめたいところなんですが、毎年そう言いながらやってないんですよね……。すみません。

映像の上映プログラムでは会場には展示されていない審査委員会推薦作品等もじっくり見ることができます。その中で心に残った作品をいくつか紹介します。

『Candy.zip』
日本の短編アニメーション。パソコンで作成したドキュメントがキャンディになる世界で、オフィスで働く女の子が主人公。ある日、同僚に自分自身がZIPファイルのキャンディにされてしまい、そこからどうにか復讐を遂げるというストーリー。あらすじだけ書くと突飛すぎて意味不明気味ですが、なぜかすんなり世界に入っていけてしまうのがすごいです。カラフルで透明感のある映像が綺麗でした。

『Gokurosama』
日本のショッピングモールを舞台にしたフランスの3DCGアニメーション。こういうのってヘンテコ日本になりがちだけど、どういうわけかやたら忠実に日本が再現されていて逆に面白いです。女の子が使っているスマホが富士通製のパロディになっているところに日本に対する謎のこだわりを感じました。現実には富士通のスマホを使う女の子ってかなり少数派でしょうけど…。

『RAINBOW』
韓国の短編アニメーション。どこにでもいそうな地味な女の子が、なぜかこの世界におけるヒーローと付き合っていて、不釣り合いな自分に悩んでしまうというちょっと切ないストーリー。このヒーローというのが、超人的な力を持つ青年で空も飛んだりするんですが、見た目は肌が青いところ以外、普通の人みたいなところがなんかぐっときました。

『Toutes les poupées ne pleurent pas』
カナダの人形アニメーション。映像に登場する2人の男女は一緒に暮らしながら人形アニメーションを制作しています。この時点でメタ的な設定なのですが、途中から登場するもう1人の女性のおかげで物語は更に入り組んだ構造を見せ、観客は今まで見せられていたものは何だったのか、考えざるを得なくなります。

『さらば銀河系』
日本の短編アニメーション。ゴミため場に住む謎の動物の親子のストーリー。ひょんなことからロボットと間違われて連れ去られてしまった親を取り戻すべく、子供は冒険の旅に出ます。キャラクターデザインやクレイアニメのような質感の表現など、言われなければ海外の作品のようなセンスを感じました。

『monoscape』
こちらはアート部門の映像作品。港湾施設でコンテナを運搬している映像が延々と続く作品。代わり映えのしない場面が延々と続くので、気がついたら途中で寝てしまったんですが、後になってあれは何だったんだろうと妙に気になってしまいました…。

『サウンドロゴしりとり』Youtube
こちらはエンターテインメント部門の映像作品。NHK『テクネ映像の教室』で放送され、その後Twitterでも話題になったのでご存じの方も多いかもしれません。大画面で見ると面白さも倍増で、テンポの速さも相まって笑いが追いつかない現象が起こっていました。

『宇宙ショートショート絵巻「反物質の子どもたち」「太陽症候群」』
こちらもエンターテインメント部門の映像作品で、NHKが制作したものです。宇宙科学を題材にしたファンタジーストーリーなんですが、横長い紙にイラストレーターが鉛筆でどんどん絵を描く映像と、俳優の朗読を組み合わせるという斬新な見せ方の作品になっています。イラストは100%ORANGEと長崎訓子さん、朗読は神木隆之介さんと菊池亜希子さんがそれぞれ担当しています。
反物質の子どもたち(NHK)
太陽症候群(NHK)

続いて、展示会場の写真もどうぞ。

Yin
▲個人的に今回いちばん面白かったフランスの短編アニメーション作品『Yin』の原画。

Negative Space
▲人形アニメーション『Negative Space』のセット。

Negative Space
▲続いて小道具。写真だとサイズ感が分かりませんが小さくて細かいです。

Negative Space
▲そして登場キャラクターの人形たち。

ハルモニア feat. Makoto
▲手描きアニメーションのミュージックビデオ、『ハルモニア feat. Makoto』の原画。枕のキャラクターがかわいいです。→Youtube

夜明け告げるルーのうた
『夜明け告げるルーのうた』のキャラクター原案を担当したねむようこさんのイラスト。

この世界の片隅に
『この世界の片隅に』の展示。

COCOLORS
▲アニメーション作品『COCOLORS』の展示。

進化する恋人たちの社会における高速伝記
▲アート部門『進化する恋人たちの社会における高速伝記』。僕が好きだった『千年家族』というゲームを更に高速化・抽象化した感じで見ていて楽しかった。

人喰いの大鷲トリコ
『人喰いの大鷲トリコ』の展示。等身大のトリコがこちらのアクションに反応するというインタラクティブな展示で、今回のためだけに作られたんだとか。

Pechat
▲エンターテインメント部門の『Pechat』。ぬいぐるみに付けるボタン型のスピーカーです。隣にはしっぽが付いたクッション型ロボットの『Qoobo』も展示されていたけど写真に撮れず。

ねぇ、ママ
▲マンガ部門大賞を受賞した池辺葵さん作『ねぇ、ママ』の展示。

AIの遺電子
▲山田胡瓜さん『AIの遺電子』の展示。会場ではじめて読んだけど面白かったです。こういう作品好き。

五万人だ!!
『夜の眼は千でございます』で優秀賞を受賞した上野顕太郎さんの展示。

甘木唯子のツノと愛
▲久野遥子さんの『甘木唯子のツノと愛』の展示。今にも動きそうな線がすごい。

増村十七さんのサイン
『バクちゃん』でマンガ部門新人賞を受賞した増村十七さんのサイン。会場の壁に描かれていました。作品は電脳マヴォで公開されています。

「文化庁メディア芸術祭」これまでのエントリー(2016.2.16)…2016年、2017年分は結局何も書いてないんだっけ…。

表現者としてのファンタジー

  • 2018年5月10日(木)19:41
  • [MEMO]

Mr.Childrenが2015年にリリースした『REFLECTION』というアルバムの中に、「fantasy」という曲が収録されています。この曲、すごく好きなんですよね。当時、車のCM(BMW 2シリーズ アクティブツアラー、グランツアラー)に起用されていたので聞き覚えのある人もいるかもしれません。

この曲、僕にしては珍しく歌詞が好きなんです。歌詞そのものもだけど、詞の構造的な部分が好きなんですね。

「誰もが孤独じゃなく 誰もが不幸じゃなく
誰もが今もより良く進化してる」

これがサビの前半部分(カッコも歌詞の一部です)。で、後半部分が

たとえばそんな願いを 自信を 皮肉を
道連れに さぁ旅立とう

と続きます。ここでキーになるのは後半部分に出てくる”皮肉”っていうフレーズです。前半部分の歌詞って、それだけで見ると頭空っぽにも思えるような絵空事です。そんなわけないっていう。そこを後半部分で打ち消してシニカルな印象を抱かせるという構造になっているんですね。更に2番では”皮肉”の部分に”嘘”という、より強い言葉が当てられています。

で、この曲がなんでこんな構造の歌詞になっているのかという部分について。冒頭で触れたとおりこの曲はCM曲です。となると、求められるのは泥臭いメッセージ性ではなくて、”J-POP”という言葉を聞いて思い浮かべるようなキラキラして当たり障りのないさわやかなイメージ、ということになります。

実際、改めてCM(検索すれば出てきます)を見てみると、さわやかで何の不安もなさそうな家族が映る映像の背景に、この曲のちょうど当たり障りない部分だけが聞こえるように配置されています。

Mr.Childrenといえば、日本の芸能史を振り返ってもあまり例のない規模の成功を収めたロックバンドと言って差し支えないと思います。そのほとんどの曲の作詞、作曲、ボーカルを担当している桜井和寿さんは当然、日本の音楽シーンの中でも屈指の影響力を持ったアーティストだと言うことになります。

そんな輝かしい成功を収めたはずの桜井さんがなんでこんなにも苦悩に満ちた曲を作り続けることができるんだろう? と、ふと思ったりもします。

それが芸風だから、という捉え方もあると思います。さっき、J-POPのイメージをキラキラして当たり障りのないものと書きましたが、一方でちょっと皮肉めいた歌を歌う人というイメージが桜井さんにはあります。

そう見ていくと、この「fantasy」は表層には世間一般がJ-POPに求めているキラキラしたイメージを纏いながら、その実は皮肉めいたメッセージが込められている曲なんだけど、それもまた、世間が桜井さんに求めているイメージをなぞってみただけ、とも見ることができます。

じゃあこの曲はイメージだけの中身からっぽ曲なのかというと、もちろんそんなことはなく、やっぱりこの曲には桜井さんの強いメッセージが込められている思うんですよね。

一般人からすると、桜井さんほどの人ともなると、一言何か発するだけで、その言葉が何千、何万人という人の心に瞬時に届き、時にはそれが世の中を変える力になることすらあるんじゃないか、なんて思っちゃったりするんだけど、実際にはそんな簡単なものじゃないんでしょう。

この曲のサビのいちばん目立つ部分で歌い上げたフレーズは、桜井さんがいちばん届けたい部分でもあるんだと思います。ただこの歌詞は、理想をそのまま歌にして、それを額面どおりに共感してくれる人がたくさんいるならどんなに簡単なんだろうという、表現者としてのファンタジーを体現したものでもあるんじゃないかとも思うんです。でも現実にはそんなことあるわけない。だからこれは皮肉で、勘違いで、嘘かもしれないけど、この曲を聞いてどこかで誰かが、1人でもいいから、ゴミ箱に捨てたファンタジーをもう一度拾ってくれたら。この歌詞の構造に、そんな切実すぎる思いを感じてしまうのです。

急に何でこんなことを書いたかというと、本日5月10日はMr.Childrenのデビュー26周年で、それを記念して過去にリリースした全シングル、アルバム曲が配信リリースされるというニュースを見て、この曲について何か書きたいと思っていたことを思い出したからでした。

ちなみにこれはたまたまなんですが、今ご覧頂いている「CHARA PIT」というサイトも今日で19周年になるんですよ。正直、いつのまにそんなに? という感じですが、これからものんびり続けていこうと思ってます。

「MOE絵本屋さん大賞」の10年を振り返る

絵本雑誌『MOE』で毎年1月発売号にて発表されている「MOE 絵本屋さん大賞」をご存じでしょうか。全国の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者へアンケートを実施し、1年間に発売された絵本の中から”おすすめしたい絵本”に選ばれた30冊をランキング形式で発表している人気企画です。

今年発表分でちょうど10周年を迎え、本日からは雑誌創刊40周年を記念した展覧会も開催されます。そこで、僕なりに絵本屋さん大賞の10年を振り返ってみようと思い立ち、10年分の得票数(ポイント)を集計して、「作家別得票数ランキング」という謎のランキングを作成してみました。こういうお遊び企画は超久しぶりですね。

普段絵本なんて読まない人もこのランキングを見れば、この10年にどんな絵本作家さんが注目を集めたのか一望できるかもしれません。

※ランキングについての注意事項
このランキングは、「MOE 絵本屋さん大賞」の各年30位までに入っている絵本のポイントを作家別に集計し、多い順に並べたものです。共作の場合は、それぞれの作家に同数のポイントを加算しています。ただし、訳者については今回は無視しました。
また、年々アンケート対象者数が増えているため年ごとに票の母数が違っています。当初は1票の格差を修正するための計算をした上でランキングにする予定でしたが、そうすると逆に古いランキングの影響が強めに出てしまったので、ポイントには特に手を加えることなく単純に加算することにしました。
今を起点にしてこの10年をふんわり振り返る、といった趣旨のランキングと思ってもらえると幸いです。
※表紙画像のリンク先はAmazonです。

作家別得票数ランキング

1位 ヨシタケシンスケ(2641P)

りんごかもしれない
りんごかもしれない(2013年1位
ぼくのニセモノをつくるには(2014年9位)
りゆうがあります(2015年1位
ふまんがあります(2015年24位)
もうぬげない(2016年1位
このあと どうしちゃおう(2016年2位
なつみはなんにでもなれる(2017年1位
つまんない つまんない(2017年3位

栄えある1位はヨシタケシンスケさんでした! 上の注意事項のところにごちゃごちゃ書いてますが、どういう方法で集計しても圧倒的な差でヨシタケさんが1位でした。これはMOE読者なら余裕で予想できる結果です。だってここ数年ずっと1位ですもんね。強すぎです。
デビュー作の『りんごかもしれない』がいきなり1位を獲得しています。それほど衝撃的でしたよね、この作品は。僕もこの最初に読んだときは思わず「やられた!」って思いましたもん。まあ、何にもやってない奴にそんなこと思われたくないでしょうけど……。ヨシタケさんの絵本って発想がすごいんですよね。新作に触れるたびに、まだ誰もやってなかったことがこんなにあったんだと驚かされます。

2位 工藤ノリコ(1360P)

ノラネコぐんだん パンこうじょう
たこきちとおぼうさん(2011年29位)
ペンギンきょうだい ふねのたび(2011年30位)
ピヨピヨ ハッピーバースデー(2012年21位)
ノラネコぐんだん パンこうじょう(2013年4位)
ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ(2014年2位
ノラネコぐんだん おすしやさん(2015年3位
ノラネコぐんだん あいうえお(2017年5位)
ノラネコぐんだん そらをとぶ(2017年7位)

2位は「ノラネコぐんだん」シリーズが人気の工藤ノリコさんです。MOE読者にはおなじみの作家さんですね(というかここに出てくる作家さんはみんなおなじみか)。工藤さんの絵本の特徴はなんといってもその個性的な見た目のキャラクターたち。”ぶさかわいい”なんて呼ばれて愛されています。そんなキャラたちのおかげか絵本だけど漫画的な親しみやすさもあって楽しいです。

3位 tupera tupera(1054P)

パンダ銭湯
ぼうし とったら(2012年5位)
しろくまのパンツ(2013年3位
パンダ銭湯(2013年6位)
うんこしりとり(2014年3位
おばけだじょ(2015年8位)
おならしりとり(2016年12位)
あかちゃん(2016年15位)
わくせいキャベジ動物図鑑(2017年20位)

tupera tupera(ツペラ ツペラ)は亀山達矢さんと中川敦子さんの2人で活動しているユニット。その活動範囲は絵本だけにとどまらず多岐にわたっています。そんな2人だからか、手掛ける絵本も枠にとらわれないアイデアと驚きに溢れているんですね。
パンダの衝撃的な秘密が発覚する『パンダ銭湯』や、定番のおばけ絵本かと思ったら読み進めるにつれて意外な事実を目の当たりにする『おばけだじょ』など、一癖も二癖もあるアイデアが込められています。絵本ごとにがらっと作風を変えているのにどの絵本もtupera tuperaらしさを感じてしまうのがすごいです。

4位 鈴木のりたけ(863P)

とんでもない
しごとば(2009年3位
続・しごとば(2010年16位)
ぼくのおふろ(2010年25位)
しごとば 東京スカイツリー(2011年6位)
おえかきしりとり(2014年13位・共作)
たべもんどう(2015年7位)
す~べりだい(2015年10位)
とんでもない(2016年4位)

綿密な取材を元にいろんなお仕事の現場を描き込んだ『しごとば』シリーズが人気の、鈴木のりたけさんが4位にランクイン。他にも『す~べりだい』など、読み聞かせで盛り上がりそうな遊び心満載の作品も人気です。
そんな鈴木さんの絵本から感じるのは、絵へのこだわり。絵本が絵にこだわるのは当たり前のことではありますが、素人目で見ても何か違う凄みを感じるというか。
ファーストインパクトだったり、繰り返しの鑑賞に堪えうる仕掛けだったり、きっといろんなことを考え尽くされた上で描かれているんでしょうね。

5位 長谷川義史(731P)

ぼくがラーメンたべてるとき
ぼくがラーメンたべてるとき(2008年6位)
いいからいいから2(2008年12位)
てんごくのおとうちゃん(2009年12位)
いいからいいから3(2009年15位)
だじゃれ日本一周(2010年3位
いいからいいから4(2010年18位)
おかあちゃんがつくったる(2012年12位)
シバ犬のチャイ(2013年11位・絵)
へいわってすてきだね(2014年1位・絵)

僕がはじめて触れた長谷川義史さんの絵本は『ぼくがラーメンたべてるとき』。表紙を見て「うわー、楽しそう!」と思いページをめくると……、まんまとやられてしまいました(笑)。
2014年1位の『へいわってすてきだね』は当時小学1年生だった安里有生さんの詩を絵本化した作品。この2作は当たり前に存在しているわけじゃない平和の大切さについて考えさせられます。

6位 なかやみわ(656P)

どんぐりむらのほんやさん
くろくんとなぞのおばけ(2009年11位)
どんぐりむらのぼうしやさん(2010年6位)
どんぐりむらのおまわりさん(2012年20位)
どんぐりむらのどんぐりえん(2013年22位)
どんぐりむらのほんやさん(2014年29位)
そらまめくんのあたらしいベッド(2015年5位)
やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち(2016年9位)
くろくんとちいさいしろくん(2017年19位)

6位は人気シリーズを多数手掛ける、なかやみわさんがランクイン。なかやさんは絵本作家になる前はサンリオでデザイナーのお仕事をされていたそうです。そらまめくんも元々はサンリオ時代に社内コンペ用として生み出したキャラが元になっているんだとか。なんとなくキャラクターに親しみを感じてしまうのはそのせいなのかな?
なかやさんの絵本は横長の判のものが多くて、絵もそんな空間を生かした作りになっていています。画面いっぱいにかわいい絵が広がっていて、思わず絵本の中の世界で暮らしたくなってしまいます。

7位 いわいとしお(652P)

100かいだてのいえ
100かいだてのいえ(2008年5位)
ちか100かいだてのいえ(2010年11位)
うみの100かいだてのいえ(2014年4位)
ゆびさきちゃんのだいぼうけん(2016年13位)
そらの100かいだてのいえ(2017年10位)

いわいとしおさんはこの10年ですっかり人気絵本作家になっちゃいましたね。当サイトでは岩井さんのことを「ウゴウゴ・ルーガ」や「エレクトロプランクトン」などのキャラクターデザイナーとしてその活動をちょくちょく追っかけていたので、『100かいだてのいえ』も発売直後に速攻で買いに行って紹介したのを覚えています。斬新で楽しい絵本だとは思ったけど、ここまで大人気になるとは予想できなかったなぁ。

8位 酒井駒子(650P)

くまとやまねこ
くまとやまねこ(2008年1位・絵)
BとIとRとD(2009年2位
はんなちゃんがめをさましたら(2013年24位)
しろうさぎとりんごの木(2014年16位・絵)
まばたき(2015年10位・絵)
ヨクネルとひな(2016年17位・絵)

酒井駒子さんは普段絵本を読まない人にもファンが多い作家だと思います。黒が印象的な独特の世界観。本を開くと心の奥底に沈んだまま忘れていた感情が蘇ってきます。

9位 谷川俊太郎(596P)

かないくん
きもち(2008年16位・文)
こっぷ(2008年22位・文)
むかしむかし(2010年23位・文)
かないくん(2014年7位・文)
せんそうしない(2015年22位・文)
生きる(2017年6位・文)

詩人の谷川俊太郎さんが9位にランクイン。『かないくん』は漫画家の松本大洋さんが絵を手掛けて話題になりました。2008年にランクインの『きもち』と『こっぷ』は1970年代に刊行された作品の復刊。人の生死について問いかける作品からユーモア溢れる作品まで幅が広くて息が長くて、今なお現役で活動されていて……。すごいです。

10位 ヒグチユウコ(588P)

いらないねこ
ふたりのねこ(2015年22位)
せかいいちのねこ(2016年7位)
すきになったら(2016年16位)
いらないねこ(2017年9位)

ヒグチユウコさんもMOE読者にはおなじみの作家さんです。繊細に描き込まれた個性豊かな猫たちがいる中で、独特の表情で佇むぬいぐるみのニャンコ。その重苦しいまぶたの奥の瞳には、どんな世界が映っているのでしょうか。

11位 荒井良二(548P)

あさになったのでまどをあけますよ
オツベルと象(2008年20位・絵)
あさになったのでまどをあけますよ(2012年1位
どーしたどーした(2014年24位・絵)
きょうはそらにまるいつき(2016年11位)
そりゃあもういいひだったよ(2016年26位)

荒井良二さんの絵本は、溢れるイマジネーションをそのままぎゅっと本に閉じ込めたかのような、フレッシュな魅力が特徴です。
2012年1位の『あさになったのでまどをあけますよ』は何気ないいつもの日常こそがかけがえのない大切な瞬間なんだと気づかせてくれます。

12位 かがくいひろし(491P)

だるまさんが
だるまさんが(2008年4位)
だるまさんの(2008年18位)
おしくら・まんじゅう(2009年8位)
だるまさんと(2009年23位)
まくらのせんにん そこのあなたの巻(2010年5位)
おふとんかけたら(2010年8位)
がまんのケーキ(2010年28位)
うめじいのたんじょうび(2016年10位)

「だるまさん」シリーズでおなじみのかがくいひろしさんがランクイン。この絵本、面白いですよね! 最初手に取ったときびっくりしましたもん。
この絵本について疑問なのが、本当に10年前までは存在していなかったの!? という部分。昭和からのベストセラーと言われても全然疑わないくらいの謎の普遍性があります。なんなんですかねこれ。たぶん100年後の子供たちにも読み継がれていると思います。

13位 西村敏雄(449P)

うんこ!
バルバルさん(2008年7位・絵)
うんこ!(2010年1位・絵)
どうぶつサーカスはじまるよ(2010年19位)
わたしはあかねこ(2011年25位・絵)
アリのおでかけ(2012年10位)
アントンせんせい(2013年25位)
ふたごのウィンナー(2014年30位・絵)

西村敏雄さんはデビュー作の『バルバルさん』がランクインして以来、コンスタントに上位へ作品を送り込んでいる絵本屋さん大賞の常連作家です。
西村さんの絵本に共通するのは、なんとも言えないキャラクターの表情。いいですね。飾り気はないけどどこか引っかかる……、そんな絵に惹かれます。

14位 トーベン・クールマン(438P)

リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険
リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険(2015年3位
アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険(2017年10位)

14位はトーベン・クールマンさん。ここに来てはじめての外国人作家の登場です。
もしあの偉人よりも先に空を飛ぶ偉業を小さなネズミが達成していたら……? そんな大冒険が壮大なスケールで描かれています。小さな生き物の視点で描かれた緻密な背景には思わず息をのみます。

15位 minchi(419P)

いっさいはん
いっさいはん(2017年2位

minchi(ミンチ)さんの『いっさいはん』は元々Twitter上で「1歳半ぐらいの子供の行動」という文を添えてUPしたイラストが反響を呼び書籍化されるという、今どきの経緯で生まれた絵本です。書籍になることで更に反響を呼びデビュー作にしてベストセラーになりました。
絵をよく見るとところどころに歯のキャラクターが描かれているんですが、今月21日にはこのキャラをフィーチャーした『にゅうしちゃん』が発売予定です。

16位 加藤久仁生、平田研也(407P)

つみきのいえ
つみきのいえ(2008年21位、2009年1位

『つみきのいえ』の加藤久仁生さん、平田研也さんコンビがランクイン。これは同名の短編アニメーション映画を絵本として再構築した作品です。映画は日本の作品としては初めてアカデミー短編アニメーション賞を受賞した作品としても知られています。絵本屋さん大賞としては唯一2年にまたがってランクインしている作品でもあります。
加藤さんはもう絵本は描かないのかな? また描いてほしいなと思います。

18位 ジョン・クラッセン(375P)

どこいったん
どこいったん(2012年2位
サムとデイブ、あなをほる(2015年20位・絵)
みつけてん(2017年13位)
サンカクさん(2017年30位・絵)

18位はジョン・クラッセンさん。2人の外国人作家の登場です。長谷川義史さんが訳を担当した「ぼうしシリーズ」(『どこいったん』『ちがうねん』『みつけてん』の3部作)や『サンカクさん』は、スタイリッシュな絵柄にミスマッチすぎるコテコテ大阪弁が乗り、謎のグルーヴ感が醸し出されています。

19位 町田尚子(373P)

ネコヅメのよる
いるの いないの(2012年3位・絵)
ネコヅメのよる(2016年6位)

町田尚子さんの絵は空気感が素晴らしいです。京極夏彦さんとの共作、『いるの いないの』はその才能がいかんなく発揮された一作。ページをめくるたび、日本家屋のどこかひんやりとしたあの感じが体にまとわりついてきます。そしてあのラスト。「ヒエッ」と声が出そうになりましたよ。
『ネコヅメのよる』は猫のイヤーな顔を大胆に配した表紙のインパクトがすごいです。でも本物の猫もよくこういう顔しますよね。

20位 大森裕子(340P)

へんなかお
へんなかお(2011年4位)
へんなところ(2012年19位)
へんなおばけ(2012年29位)
なにからできているでしょーか?(2014年18位)
おすしのずかん(2017年12位)

20位には大森裕子さんがランクイン。『へんなかお』は動物たちのへんなかおが次々に出てくる楽しい絵本。『へんなところ』、『へんなおばけ』とシリーズ化されました。『なにからできているでしょーか?』と『おすしのずかん』はどちらも食べ物図鑑的な絵本で、普段食べているものについての理解を楽しみながら深めることができる作品です。

以上、上位20人の作家さんの紹介でしたー。

出版社別ランキング

これはおまけで、別の角度から10年を振り返ってみようということで、出版社別にランクインしている絵本の冊数をランキングにしてみました。

1位 福音館書店(33冊)
1位 ブロンズ新社(33冊)
3位 白泉社(29冊)
4位 偕成社(22冊)
5位 講談社(20冊)
6位 岩崎書店(16冊)
7位 BL出版(14冊)
8位 学研プラス(8冊)
8位 PHP研究所(8冊)
8位 あすなろ書房(8冊)
8位 教育画劇(8冊)
12位 アリス館(7冊)
12位 童心社(7冊)
12位 ポプラ社(7冊)
15位 光村教育図書(6冊)
15位 絵本館(6冊)
17位 クレヨンハウス(5冊)
17位 文溪堂(5冊)
19位 WAVE出版(4冊)
19位 佼成出版社(4冊)
19位 イースト・プレス(4冊)

集計する前から「1位は福音館書店なんだろうな~」とは思っていて、当たってはいたんですが、ブロンズ新社も同率1位というのには驚きました。ブロンズ新社は今までにない面白い絵本を出版する会社として注目はしていましたが、こんなに打率高かったんですね。すごいです。
3位の白泉社はMOEの発行元。4位の偕成社は元・MOEの発行元です。5位には講談社がランクインしていますが、いわゆる大手出版社では唯一のランクインなんですね。他の大手出版社はあまり絵本には力を入れていないんでしょうか。もっと頑張ったらいいのにな。

CHARA PITで紹介した絵本

最後に当サイトではこの10年どんな絵本を紹介していたか、いくつか見てみたいと思います。ここではいわゆるキャラクター絵本はよく紹介していたんですが、絵本屋さん大賞に出てくるようなちゃんとした絵本は気まぐれで取り上げている程度なので、そんなに多くはないです。

[本]まるさんかくぞう/及川賢治、竹内繭子(2008年19位)
[本]5つごモンスターがやってきた!/たちもとみちこ
[本]ヘンなあさ/笹公人・作、本秀康・絵
[本]ゆきがふるよ ねこがいるよ/ごうだつねお
[本]コんガらガっち あっちこっち すすめ!の本/ユーフラテス
[本]もぐらバス/佐藤雅彦+うちのますみ(2010年2位)
[本]みんなであそぶひ/天明幸子
[本]りすでんわ/高橋和枝
[本]ほげちゃん/やぎたみこ(2011年3位)
[本]ともだちぱんだ/やましたこうへい

こうして見ると別の分野で活躍している人の作品を紹介することが多いですね。この中で特に印象に残っている作品を挙げるとすれば、やぎたみこさんの『ほげちゃん』でしょうか。本屋さんで表紙を見たときは衝撃でした。「なんだこのキャラは!?」と。
ここ数年はサイトの更新をサボり気味だったので、絵本も全然紹介できていませんでしたが、これを機にまた取り上げていければと思います。

MOE(公式サイト)…絵本屋さん大賞は毎年2月号(1月発売号)で発表されています。2018年2月号(amazon)には過去10年を振り返る企画ページもあるのでバックナンバーもチェックしてみてくださいね。
MOE創刊40周年記念 島田ゆか・酒井駒子・ヒグチユウコ・ヨシタケシンスケ・なかやみわ 5人展…冒頭でも触れましたが、本日から松屋銀座にてMOE40周年を記念した展覧会が開催されます(5/7まで)。島田ゆかさんは『バムとケロのもりのこや』で第4回の1位を獲得していましたが、今回の集計方法ではランクから漏れてしまいました。寡作な方には不利な集計でしたね…。

[雑誌]MOE 2011年12月号「スージー・ズーのやさしい庭へ」(2011.11.4)

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