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IT系マスコットキャラクターを集めてみた

今年に入って「Meltdown」と「Spectre」という、CPUの脆弱性についてのニュースがありました。その内容は深刻なものでしたが、つい関係ないところに目が行ってしまいました。

MeltdownとSpectre

これですよ。告知のためになぜかかわいいロゴマークが制作されているんですね。
そういえばこの件に限らず、IT方面ってなにかとかわいいロゴやキャラクターを見かける気がします。そこで、IT系マスコットキャラクターを集めて紹介してみたら面白いかなと思って書いてみたのがこのエントリーです。オープンソース・コミュニティで使われているものから企業マスコットまで、前から気になっていたものを中心に割と雑な感じで集めてみました。

※キャラクター画像のリンク先は出典元のページになっています。
※誕生年は該当サービス等のマスコットとして公表された年を掲載しています(ある程度確証が得られたもの)。

Tux(タックス)

Tux
誕生年:1996年
作者:Larry Ewing

まずはオープンソース界の代表的マスコット、「Linux」のタックスくんです。Linuxから派生したプロジェクトの多くにもペンギンをモチーフにしたマスコットが採用されているようです。

名前の由来はタキシードを着ているように見えることから。

タックスくんは1996年のロゴコンテストによって選ばれています。選ばれなかった他の候補も今なお公開されているんですが、見るとタックスくんのロゴが選ばれたのも納得な感じがしますね。

BSD Daemon(BSDデーモン君)

BSD Daemon
誕生年:1988年
作者:John Lasseter

続いては「FreeBSD」のBSDデーモン君です。見たとおり、赤色の悪魔のキャラクターですが、よく見るとデーモンの綴りが一般的に悪魔を表す”Demon”ではありません。これはバックグラウンドでタスクを処理するプロセスである「Daemon(デーモン)」と掛けているためです。手に持っている三叉槍も、プロセスのコピーを生成するためのシステムコールである「Fork(フォーク)」から来ているそうです。

上記のイラストはFreeBSDの代表的な開発者の1人でもあるポール=ヘニング・カンプ(Poul-Henning Kamp)さんの手によるものですが、最初にBSDデーモン君を描いたのはピクサー・アニメーション・スタジオの監督・製作総指揮として知られるあのジョン・ラセターさんだとされています。

当時のジョン・ラセターさんのイラストは、BSDデーモン君の著作権を管理するマーシャル・カーク・マキュージック(Marshall Kirk McKusick)さんのサイト「History of the BSD Daemon」で公開されています(ここここ)。

Android robot(ドロイド君)

Android robot
誕生年:2007年
作者:Irina Blok

Googleが主導する「Android」のマスコット、ドロイド君です。なお、この呼称は日本での愛称であり正式なものではありません。「Bugdroid(バグドロイド)」と呼ぶのが正しい呼び名だと書いているサイトが多いですが、これも正式な文献に出てくるわけではないようです。正式にこだわるなら「Android robot」と呼ぶのが無難そうです。

作者は当時Googleに在籍していたグラフィックデザイナー、Irina Blokさんです。

※Android ロボットは、Google が作成および提供している作品から複製または変更したものであり、Creative Commons 3.0 Attribution ライセンスに記載された条件に従って使用しています。

Octocat(オクトキャット)

Octocat
誕生年:2008年
作者:Simon Oxley

「GitHub」のマスコットであるオクトキャット。ネコの頭にタコの足。かわいくもちょっとぞわっとくるような不思議な魅力に包まれた存在です。

最初にデザインしたサイモン・オクスリーさんはTwitterの初代の小鳥のイラスト(Larry Bird)を描いた人物としても知られています。

オクトキャットというのは種族名で、それとは別にMonalisa(モナリサ)という固有の名前も付けられています。ただこれも対外的に広く周知されているものではないので普通に呼ぶ際はオクトキャットでいいようです。

GitHub Octodexというサイトを見ると、いろんなコスチュームに改変されたオクトキャットの姿を見ることができます。マスコットにいろんな格好をさせる遊び、みんな好きですよね。

The Octocat―a nerdy household name…現デザイナーのCameron Mcefeeさんによる解説です。

『Octocat Adventure』との関係について

オクトキャットについて調べていると、『Octocat Adventure』というアニメーション作品にも行き当たります。作者のデイヴィッド・オライリー(David O’Reilly)さんはこのサイトでも何度か取り上げたこともあるアニメーション作家の方なんですが、実はGitHubのオクトキャットはこの作品が元ネタとする説があるようです。そこで僕も少し調べてみたんですが、結論としてはどうもこの2つのOctocatはまったくの無関係のようです。

それぞれの公開時期を確認してみると「Octocat Adventure」は2008年3月。GitHubの方はサイトの公開が2008年の4月です。なおサイト公開直後の段階でオクトキャットはいたようです(参考)。

続いてサイモン・オクスリーさんのインタビューを確認するとオクトキャットをデザインしたのは2006年とのこと。iStockに登録後、GitHubスタッフに発見されて権利を売却することになります。当初ご本人はこのキャラクターをOctopussと呼んでいたそうなんですが、GitHubスタッフがOctocatと名付けた上で公開したという経緯があるそうです。

ということはサイモンさんが参考にすることは不可能なのはもちろん、デイヴィッドさんの方も作品の公開時点ではOctocatと名付けられたGitHubのキャラはまだ存在しないことになり、影響を受けることは難しくなります。

Moby Dock(モビー・ドック)

Moby Dock
誕生年:2013年
作者:Ricky Asamanis

「docker」はコンテナ型の仮想化環境を構築するプラットフォームです。このドッカーという言葉には”港湾労働者”という意味があります。そしてロゴマークには背中にコンテナを乗せたクジラがデザインされています。こうした表現から、ソフトウェアのもっとも特徴的な部分(コンテナ)が強調されています。
Moby Dockという名前は映画化もされた小説の『白鯨(Moby Dick)』と、船舶の修繕施設であるドックを掛けて名付けられています。

ロゴの作者はインドネシアのグラフィックデザイナー、Ricky Asamanisさん。99Designsのコンペで選ばれました。ここでコンペ参加者の作品がいくつか見られます。

Go Gopher(ゴーファー)

Gopher
誕生年:2009年
作者:Renée French

ゴーファーはGoogleが開発したプログラミング言語「Go」のマスコットです。ホリネズミという日本ではあまり馴染みのない動物をモチーフにしています。ホリネズミの英語名がGopherなので、そのまんまの名前です。

元々は20年近く前にラジオ局が企画したチャリティーTシャツのデザインとして誕生しました。その後、作者の提案によりGo言語のキャラとして第2の人生を歩むことになったそうです。

作者のレニー・フレンチさんはアメリカのイラストレーター・漫画家で、「Plan 9」というOSのマスコットも手掛けています。

Glendaこちらは「Glenda(グレンダ)」という名前で、ウサギですね。ゴーファーの遠い親戚だという話もあるそうです。

ちなみにレニー・フレンチさんの配偶者はGo言語やPlan 9の開発に関わったロブ・パイク(Rob Pike)さんです。そういう繋がりがあるんですね。

※The Go gopher was designed by Renee French.
The design is licensed under the Creative Commons 3.0 Attributions license.

Geeko(ギーコ)

Geeko
誕生年:?
作者:?

「openSUSE」のマスコット、ギーコです。名前の由来はコンピューターオタクを表す”Geek”とヤモリの”Gecko”を組み合わせた造語です。ただ、キャラクターとしてはヤモリではなくカメレオンなんだとか。

Geekoで検索するとぬいぐるみの画像がたくさん出てきて、世界中で多くの人に愛されているのが分かります。そしてこういうキャラを妙に推したくなってしまう気持ちもなんだか分かります。

Blinky

Blinky
誕生年:2006年
作者:Bas Snabilie

「FreeDOS」のマスコット、Blinkyです。ブリンキーと読むんだと思いますが、このキャラを日本語で紹介しているサイトが見当たらなかったので謎ということにしておきます。

当初はLinuxのタックスくんとの相性を考えて、アザラシのマスコットを考えていたそうです。しかし他と被ることが判明したため、魚のキャラになりました。「魚」というざっくりとした感じがいいですね。やたらぷっくりした見た目なのはアザラシの面影なのかもしれません。ギョロっとした目の印象からBlinkyと名付けられました。

※Blinky was designed By Bas Snabilie for the FreeDOS Project. [CC BY]

Kiki(キキ)

Kiki the Cyber Squirrel誕生年:2012年
作者:Tyson Tan (钛山)

キキはペイントソフト「Krita」のマスコットです。サイバーリスのキキ(Kiki the Cyber Squirrel)という呼び方もあるように、リスを擬人化したマスコットです。これはスウェーデン語で”クレヨン”の意味を持つKritaというソフト名が、アルバニア語ではリスを表すことから来ています。

ここまで紹介した他のキャラと違い、萌えキャラ的要素も含まれていますが、マニアックに寄りすぎず、洗練されたデザインになっています。

作者は中国のアーティスト、タイソン・タンさん。Kritaの大元のプロジェクトである「KDE」には「Konqi(コンキー)」というマスコットがいて、このキャラの現行デザインも手掛けています。
Konqi
Konqiは活発な雰囲気がある緑のドラゴンです。キキとは印象が違います。

※Konqi and Kiki were designed by Tyson Tan. [CC BY-SA 4.0]

snoo(スヌー)

誕生年:2005年
作者:Alexis Ohanian

ソーシャルニュースサイト「Reddit」のスヌーは全身白い体に、赤い目が特徴のマスコット。時空を超えたところからやってきたエイリアンです。

作者は創業者の1人でもあるアレクシス・オハニアンさん。昨年、プロテニス選手のセリーナ・ウィリアムズさんとの豪華な結婚式を挙げて話題になりました。

なお、Redditではソーシャルボタンも配布しています。あなたのサイトにもおひとついかがですか?

What’s Snoo?(Upvoted 2013.6.5)…公式での説明。

フォクすけ

front
誕生年:2006年
作者:Piro

フォクすけ(Foxkeh)は「Firefox」の国内でのプロモーションのために生まれたキツネのマスコット。ここでようやく日本生まれのキャラクターの登場です。特徴はFirefoxだけにしっぽが火になっているところでしょうか。最近発表されたような気がしていたけど、もう12年もたつんだなぁ。

作者はアドオン開発者でもあるPiroさんです。

“フォクすけ” (C) 2006 Mozilla Japan [クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 4.0国際 ライセンス]

わぷー

wapuu
誕生年:2011年
作者:カネウチカズコ

わぷー(Wapuu)は「WordPress」の日本公式キャラクター。丸い玉をおなかに抱えてふわふわと浮かぶ不思議な生き物です。

各地で開催されているWordCamp等の関連イベントでは、ご当地わぷーが制作されていて盛り上げに一役買っています。日本の枠を飛び越えて、海外のイベント用に作られたわぷーも多数いるとか。
わぷーアーカイブ

作者は福岡のCGFMという会社に所属するデザイナーのカネウチカズコさん。ブログを見に行くと、「わぷーのおさんぽ」というショートストーリーが公開されていました。かわいいなー。

ねこび~ん

nekobean_normal

誕生年:2008年
作者:カネウチカズコ

ねこび~ん(NekoBean)は「NetBeans」日本語コミュニティの公式キャラクターです。NetBeansだからねこび~ん、分かりやすいですね。キューブの形状はNetBeansの立方体ロゴから来ています。ぺたーっとした姿が印象的です。

作者はわぷーと同じ、カネウチカズコさん。カネウチさんは他にも「baserCMS」のマスコット、「べっしー」のデザインも手掛けています。
べっしーモチーフはドラゴンでいいのかな? ちょっとおとぼけた表情をしています。

ねこび~ん by カネウチカズコ is licensed under a Creative Commons 表示-継承 2.1 日本 License.
べっしー by カネウチカズコ is licensed under a Creative Commons CC BY-NC-SA 3.0

アベマくん

誕生年:2015年
作者:NIGO®

犬のようなクマのような…?

サイバーエージェントが2015年にブランドロゴを一新した際、あわせて発表されたキャラクターがabema(アベマ)くんです。藤田社長の肝いり事業として力を入れている「AbemaTV」はこのキャラがネーミングの由来とされています。

キャラクターを含むブランドロゴのトータルデザインを担当したのは、社長のお友達でもあるファッションデザイナーのNIGOさんです。NIGOさんはAbemaTVで放送されているオリジナルミニアニメ「おしえてアベマくん」の総監督も務めています。アベマくんとNIGOさん、藤田社長の3人がアニメになって世の中のちょっとした疑問を解明していくという内容です。

アメーバくんの広告
▲これは先代のキャラクター、アメーバくんの広告です(2007.2.4 渋谷駅にて撮影)。

けんさくとえんじん

誕生年:2016年
作者:?

「Yahoo! JAPAN」がサービス開始20周年を迎えた2016年、突如としてキャラクターを発表しました。それがけんさくとえんじんです。そのまま”検索エンジン”ってわけですね。けんさくは”犬”索ということで犬、えんじんは”猿人”をモチーフにしているようです。

Yahoo! ショッピングで買い物をすると、最後にけんさくとえんじんのちょっとしたアニメーションが表示されます。それを眺めながら、「また余計なものを買ってしまった…」といつも思っています。

KAKAO FRIENDS(カカオフレンズ)

誕生年:2012年
作者:HOZO

カカオフレンズ(카카오프렌즈)は「カカオトーク」のキャラクターです。当初からいるメンバーは(右上のキャラから時計回りで)ムジ、ジェイ・ジー、チューブ、アピーチ、ネオ、フロド、コンの7人。そして2016年にライアン(真ん中のクマ…に見えるライオン)が加入して今の仲間になりました。一番人気は後から入ったライアンみたいです。

「LINE」が独占状態の日本と違い、カカオトークがメッセンジャーアプリNo.1の韓国ではキャラクターの人気もすごいようです。その証拠にカカオフレンズショップという専門のグッズショップが各地に存在しています。

KAKAO FRIENDS(公式サイト)

作者はイラストレーターのHOZOさん(ライアンのみ社内デザイナーによるもの)。韓国の人気アーティスト、PSYのジャケットイラストも手掛けています。
▲PSY「Gangnam Style」(amazonより)。

カカオトークを展開するカカオ社では、昨年に完全新規のキャラクターも立ち上げています。

NINIZというキャラクターで、ファンシー寄りの柔らかいタッチのイラストとなっています。

17ベイビー(イチナナベイビー)

誕生年:2015年
作者:?

17ベイビー(17寶寶)は、台湾発のライブ配信アプリ「17LIVE」のマスコットです。年末年始にテレビCMを集中放送していたので見たことある人も多いと思います。

白黒なのでパンダかと思いきや、カメラをモチーフにしているそうです。

米兔(ミィトゥ)

誕生年:2011年頃?
作者:?

ミィトゥ(Mi Bunny、米兎とも)は中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(Xiaomi)のマスコットです。マンガチックなウサギのキャラクターで、グッズもたくさん発売されているんですよね。

“米兔”で検索していたら、ちょっと違うデザインのキャラクターが出てきました。

米兔智能故事机

どうもこれはスマートフォンと連動するスピーカーを搭載した知育玩具のようです。もしかしてキャラデザイン変わっちゃった? と思ったけど、そういうわけではないみたいです。

小欧

誕生年:2013年頃?
作者:?

アジアNo.1の出荷数と言われる中国のスマホメーカー、OPPO(オッポ)のマスコットが小欧(またはOllie。どちらも読み方不明)です。丸みのあるロボットのような見た目をしています。

OPPOは今年に入り日本市場への参入を発表し、国内でも注目が集まっています。ただ今のところ日本でキャラクターを使った広告展開は行っていないようです。おそらく、まずは高級感を押し出してブランドを構築するためだと思われます。

対する中国では着ぐるみを使ったPRを盛んに行っているようで、検索すると着ぐるみ画像がいろいろ出てきます。

ちなみに、グループ企業でもあるスマホメーカーのVIVO(ビボ)にも「小V」というロボットのマスコットが存在します(こちらも読み方不明)。

小欧と小Vは非常に仲がいいみたいで、検索すると2人で仲よく路上ダンスしている動画やじゃれあってる様子なんかも出てきました。微笑ましいですね。

QQ企鹅(QQペンギン)

誕生年:?
作者:?

QQペンギンは中国では国民的コミュニケーションツールとして長年利用されている「テンセントQQ」のマスコットです。運営元のテンセントはアジアNo.1の巨大企業で、世界最大のゲーム会社とも言われていますが、マスコットは素朴で愛らしい雰囲気です。
テンセントは「WeChat」というアプリでも有名ですが、こちらは特にマスコットはいないようです(吹き出しのアイコンをマスコット代わりにしている模様)。

・・・・・・

以上、20キャラ+αを紹介してみました。マスコットは上手く展開できれば親しみを感じることができたり、認知の向上にも繋がる存在です。更には、とっつきにくさを和らげてくれたり、コミュニティの帰属意識を高めてくれることもあるかもしれません。そういった役割が、ITの世界に求められていることと合致した結果、いろんなところで見かけることになったんでしょうね(単にかわいいもの好きが多いだけかもしれないけど)。これからも密かに注目していきたいです。

参考サイト

List of computing mascots(Wikipedia:en)
どのマスコットがお好き?(@IT 2008.12.26)
IT関連の気になるマスコットを集めてみた(前編)(株式会社アーティス 2017.10.18)
IT関連の気になるマスコットを集めてみた(後編)(株式会社アーティス 2017.10.19)
IT界隈の動物たち(はてな匿名ダイアリー 2016.11.4)
OSSマスコットキャラクター大集合! (ぬいぐるみ編)(OSPN Press 2010.12.22)
第2弾 OSSマスコットキャラクター大集合! (OSC展示ブース編)(2011.6.24)

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