にちじょう

穴ぼこの中に頭を突っ込んだまま、
たくさんの季節が過ぎ去りました。
(でもずっと穴の中なので、その移り変わりを見ることはできませんでした)
 
 
もぐらくんという子とお友達になりました。
 
 
もぐらくんは、もぐらの男の子です。
ある日、地面を掘ってぼくが頭を突っ込んでいる穴までたどり着いたのでした。
 
もぐらくんは、ぼくのことを気に入ってくれたみたいで、
時々現れては、一緒に遊んだりするようになりました。
 
 
『もぐらたたきごっこ』という遊びをよくしていました。
 
 
そのうちもぐらくんは、大事なことを相談してくるようになりました。
もぐらの世界の派閥争いのこととか、
病気のお母さんのこととか、いろいろです。
ぼくは基本的に聞き役に徹するのみだったけど、
たまに思ったことをしゃべることもありました。
 
 
ある時、もぐらくんはぼくにこういいました。
「結婚して、子供が生まれるんだ」と。
いつの間にか、もうそんなお年頃だったんですね。
 
それからは、ぼくのところへは
ほとんど遊びに来てくれなくなりましたが、
たまに来ては、子供の成長のこととか、嬉しそうに話してくれました。
 
 
 
 
 
 
ある日、ぼくの目の前に小さな子もぐらが姿を現しました。
もぐらくん以外のもぐらに会うのは、この時がはじめてでした。
そして、この小さな子もぐらが、もぐらくんの子供だということが
すぐにわかりました。
最初に出会った頃のもぐらくんと、瓜二つだったからです。
まったく同じと言ってもいいくらいでした。
 
その子はぼくに言いました。
父が死んだのでここにお墓を作りたいと。
そう言うのでした。
 
そして、穴に頭を突っ込んだままのぼくの目の前で、
もぐらくんのお葬式が執り行われていきました。
 
ずっと地面の中に住んでいるもぐらでも、
最後は土の中に埋めるんだなぁ。
 
そんな感じで、目の前の光景を、ただ淡々と見つめるしかないのでした。
 
すべてが終わると、子もぐらはぺこりと1回頭を下げて
穴の奥へと消えていきました。
 
 
 
 
 
 
あたりが寂聴に包まれます。
いや、違いました。静寂でした。
 
そんな静寂が、ずっと、ずっと、続きます。
 
耳が「キーン」としてきます。
 
えーっと、ぼくは、何をしていたんだっけ。と、思いました。
 
 
ぼくは両手に力を込めました。
その手で地面をつかみます。
勢いをつけ、穴の中から頭を引っこ抜きました。
 
すごいぶりに見る太陽です。
ものすごく、まぶしかったのでした。

にちじょう

あなぼこ
モゾモゾモゾ。
 
モ。
 
…。
 
 
 
どうしてだろう、なんだか知らないけれど、
 
すごく落ち着いた気分です。
 
 
 
 
 
今ならわかる気がします。世の中のいろんなことが。
 
そうだ! なんで今まで気付かなかったんだろう。
 
あんなことやこんなことに。
 
そして、本当に大切なこと。
 
今なら言える!
 
この世界はバラ色なんだ!
 
 
だ!
 
 
だ!
 
 
 
だ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんか、耳が「キーン」とします。

にちじょう

なんか
 
  なんか
 
 
 
 なんか
 
 
 
 
なんか
 
 
  なんか
 
 
 
 
 
     なんか
 
 
 
 
 
 
 
なんか
 
 なんか
 
 
 
    なんか
 
  なんか
 
 
 
 
  なんか
 
 
 なんか
 
 
 

なんかつけられた
なんか、つけられました。
 
 
 
 
 
 
 
町を歩いていただけなのに
ひょっこりと現れ、そして去っていった誰かに
なにかを頭につけられたぼく。
 
 
 
「えーっと、こういう時ってどうすれば」
 
 
 
なにかを考えようとしても、
どうやってなにを考えていいか
わからなくなるものですね。こういう時って、ね。
 
 
 
そのままぼーっと突っ立ってると、
なんだか町のオブジェになった気がしてきました。
 
 
 
そうだ、ぼくはこのなにかをつけられたことにより、
崇高な芸術作品となったのです。
見る目を持った人じゃないと、
真の価値なんて理解できない存在です。
 
 
 
そう思うと、
目に映る光景がいつもと違って見えてきました。
 
 
いい気分です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カラーン。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
五円
5円です。
誰かに5円玉を投げられました。
 
 
 
 
 
 
 
――ぼくは10円くんなのに。

にちじょう

不思議なモノ
歩いていると、なんだか不思議なモノがついてきたよ。
 
そのモノたちは鳴いていました。
 
「ニャー!」
 
「ワン!」
 
「ガス!」
 
 
 
ぼくはそのうちの1匹、「ニャー」と鳴くのを抱きかかえると、
家へ帰りました。
(他の2匹はどうにかまきました)
 
 
 
 
ぼくはその子にミルクをあげました。
 
その子は
 
「ニャー」
 
と鳴きながら、嬉しそうに飲み干しました。
 
 
今度はおさかなを食べさせました。
 
その子はまた
 
「ニャー」
 
と鳴きながら、嬉しそうに食べつくしました。
 
 
 
 
そんな日々が続きました。
 
 
 
 
でも、その子は相変わらずかたちが定まらず、
ふにゃふにゃしているのでした。
 
そしていつしか、鳴き声が
 
「ニャーガッ」
 
「ニャーガス」
 
と変わっていき、いつしか、
 
「ガスッ」
 
とだけ、鳴くようになりました。
 
 
 
 
 
 
 

10円くん

にちじょう

10円くん

はじめまして。ぼくは10円くんと申します。
ひまそうなので、なんか書いてみたらと
こんなページを用意されてしまいました。

ひまじゃないけど、せっかくだし
何か書いてみようかなと思って、
そうこうしているうちに早3ヶ月ですよ。
先が思いやられますが、飽きるまで続ける予定です。

今日で飽きたりして。

飽きなかったら、宇宙の話とか書くからね。