8.とっとこ小学館太郎の巻 2000.9.24

今回はちょっと変なタイトルですが、要するに小学館について書くぞってことです。

以前、キャラクターサイトをやってるといろんなところで「ソニー」に辿り着くということで、「きゃらこらむ」でソニー特集をやったことがありますが、それと同じような感じで、最近はもっぱら小学館なのです。というわけで今度は小学館キャラを偵察してみることにしました。

小学館が先頭に立って展開しているキャラクターといえばどんなものがあるでしょうか。小学館HPに行くと「こどものページ」というコーナーがあり、そこには
●ドラえもん(漫画、アニメキャラ)
●ポケットモンスター(ゲーム、アニメキャラ)
●名探偵コナン(漫画、アニメキャラ)
●とっとこハム太郎(漫画、アニメキャラ)
の4つのキャラクターのイラストがアイコンのように並んでいて、クリックするとそのキャラの関連書籍の一覧が表示されるようになっています。

ということで、まずこの4つのキャラについて見ていきます。
「ドラえもん」は小学生低学年くらいの男の子あたりが中心的支持層(っていうのかな?)だと思いますが、ティーンやかつて子供だった大人など、幅広い世代に圧倒的な人気があります。
「ポケットモンスター」はこれも小学生に人気ですが、男女ともに人気がある珍しいキャラですよね。あと、世界的に大ブレイクしている点でも希少なキャラです。
「名探偵コナン」は小中学生が中心ターゲットですが、意外と主婦層にもファンがいたりとこれも幅広い層に人気ですね。
「とっとこハム太郎」は今のところ小学生の女の子のみに人気のキャラクターという印象がありますが、今後の展開次第でもっと幅広く受け入れられるキャラになるのかもしれません。

というわけで、小学館のキャラクター展開には王道があるっぽいです。小学生あたりの低年齢層をコア・ターゲットとして固めておいて、それを土台に他の世代へと人気を伸ばしていく…。これ、どうでしょう(^^;)。全然的外れに聞こえたかもしれないけど、ここではそういうことで話を進めます。

次に、どうやってそのキャラクターを広めていくか…ということですが、キャラクターを広めるには何か媒体が必要ですよね。ここで出てくるのがもちろん雑誌です。
小学館は他の出版社と比較すると特に子供向けの雑誌が充実しています。「小学○年生」のシリーズや、「コロコロコミック」などがそうですよね。特に、「小学○年生」のシリーズの表紙を見ると、今小学館がイチオシしているキャラクターが何かっていうことはとりあえず分かります(^^)。今だとそこにはハム太郎が一番大きなスペースを取って掲載されているはずです。ちなみに少し前まではピカチュウ、その前はカービィだったと思います。そんな風に1キャラに注目を集めつつ、子供人気を高めていくわけですね。

更に最近の小学館には雑誌以外の媒体だってあります。テレビ番組の「おはスタ」です(^^)。これは確か、「コロコロコミック」の編集部か何かが深く関わって作られた番組だったと思います。これで、小学生男子向けのアピールはより強くなったというわけです。ただ、この番組はテレビ東京系6局ネットですので地方へのアピールにはならないのが欠点でもあります。

さて、ここまではいいんですが、次にもっと広い世代へと浸透させようと思っても次に打つ手はあまりないんですよね。困ったもんだ、ということで登場したわけじゃないけど、実はここにひとつティーン&主婦向けへのアピールになる雑誌がありました。キャラクター通販雑誌の「キャラデパ」です(^^)。この雑誌、小学館から出てたんですね〜。

「キャラデパ」を見ててちょっと気になったことがあったんです。「ドラえもん」に割かれるページ数が毎回多いなあと。これはまさしく…だと思いませんか(^^)。
(実は先日コラムの方で取り上げた「のりスタ」もこの雑誌で知ったんですが、その紹介がPR記事だったのも、小学館がこの番組の制作に関わっているからなんだと思います)

実際にこの雑誌がどれほどの影響力があるのか分かりませんが、この前までは年2回発行だったのに、明日(9/25)発売の2000年秋号から季刊になってます。他に似たような雑誌がないのでちょっとずつ部数を伸ばしているんでしょう。

ここで、今度の秋号で注目してみたい部分があります。それは、とっとこハム太郎が掲載されているか否かです。このキャラクターはまだ小学生にも絶大というほどの人気には至ってないと思うんですが、いずれ他のキャラと同じように幅広い世代に受け入れられようと考えているのなら、ドラえもんほどではないにしろ、ドカンと掲載されていてもおかしくはないかなあなんて思うんですよね。
他のキャラと同じような掲載ならば、他世代にアピールするにはまだ時期尚早だと判断したか、もしくは「キャラデパ」を小学館キャラのアピールの場としては考えてないということですよね。まあその前に、小学館が版権を持つキャラは扱いやすいので自然と大きなスペースになっているということも考えられますけどねっ。

というわけで僕はそんなところをちょっと気にしてたりします(^^)。あと、ついでに「のりスタ」キャラも今度はPRじゃなくってちゃんとした記事として取り上げていて欲しいです。これは僕の個人的希望(^^)。


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こっちはおまけです。本編では取り上げなかった気になる小学館まわりの出来事(?)です。

●ポケットモンスターと小学館
ゲームボーイソフトの「ポケットモンスター」を任天堂が小学館に宣伝に行ったことで、コロコロコミックに取り上げられることになったそうです。その後ポケモンは口コミで小学生の間で徐々に広まっていくのですが、その口コミの補助的役割になったのがコロコロだったんでしょうね。というわけで、コロコロのおかげでポケモンが売れたっていう状態だったのですが、今度は逆にポケモンのおかげでコロコロが売れるという状況になり、お互いにとってすごくいい状態になったと言えます。ちなみにアニメ化も小学館側が企画したことらしいので、小学館の力がなければポケモンはあそこまでヒットしなかったでしょうし、また、それが非常にレベルの高いゲームソフトだった「ポケモン」だからこそのヒットでもあったんでしょうね。
→詳しい話は任天堂HP内のこちらに小学館キャラクター企画室 室長のインタビュー記事としてあります。ポケモンアニメの放送事故のことにも触れられていますし、興味深い内容になってます。

●小学館キャラクター企画室 室長久保雅一氏とは!?
この室については「のりスタ」の時のコラムで取り上げましたので、今度は室長について取り上げてみます(^^)。
小学館入社後、
「てれびくん」編集部
「コロコロコミック」編集部等に所属、
その後、
テレビアニメ「爆走兄弟レッツ&ゴー」のスーパーバイザー、
子供向けのイベント「次世代ワールドホビーフェア」実行委員、
テレビアニメ「ポケットモンスター」の企画、
テレビ番組「おはスタ」の企画
ラジオ番組「ポケモンアワー」プロデューサー
映画「ポケットモンスター」エグゼクティブプロデューサー
テレビアニメ「ゾイド」の企画
テレビ番組「のりものスタジオ」の企画等を務める。
更に近年では月刊コロコロコミック副編集長、
小学館ミュージック&デジタルエンタテイメント統括プロデューサー
小学館プロダクションメディア部ゼネラルプロデューサー
小学館キャラクター企画室室長等を同時に務め、
現在はコロコロ副編をやめて、ロンドンブーツが編集長(?)の漫画雑誌
「月刊コミックGOTTA」の企画などをしているらしいです(ひょっとすると実質の編集長なのかも)。
たぶん一部間違ってたり足りないところがあると思いますが、小学館キャラクターのことを紐解くことは、この人のことを紐解くことになるのは間違いなさそうです(^^;)。

●小学館と任天堂
最近任天堂ではゲームボーイ向けに小学館のキャラクターである「とっとこハム太郎」と「怪人ゾナー」のゲームを開発しました(ハム太郎は発売中、ゾナーは10/21発売)。これは任天堂の方から作りたいと言うとは考えにくいので、小学館に頼まれたのでしょう。でも、これまでこういう仕事をてんでやらなかった任天堂が今なんで小学館の頼まれ事を聞いているのかよく分かりません。何か契約でもしたんでしょうか??

●その他の小学館キャラ
僕のサイト的に見ると、吉田戦車の「伝染るんです。」とか(ビッグコミックスピリッツ)。あとは「ヘリタコぷ〜ちゃん」(ちゃお)ですね。他にもたくさんあるんだろうけど、ここまで書くのに結構時間かかっちゃったので、この辺で終わりにします。さよーなりー(変な終わりかた…)。