8.衝撃のパンダラブー 2000.4.20
偶然本屋で目撃してしまったこのキャラクター。
’70年代の漫画産業が”こっそり”生み出した奇跡、それが「パンダラブー」です!
というかこんなものをこんなとこで紹介していいのか、それが疑問(^^;)。
 
衝撃の出会いの瞬間

本屋でなにか面白そうな本はないかなあと、
あてもなくふらついていたところ、
いろんな漫画を「すごい!」と紹介している
本(宝島社刊)があったので見てみる事にしました。

あ〜、「弥次喜多」が出てるなあ…
なんてめくっていたのですが
あるページに来たとき、
「ふ」
と体中の神経が一時的に遮断されたかのごとく、
もしくは体内時計の電池が
突然切れてしまったかのように、
はたまた、森の奥深くに住む羽根を生やし宙を舞う妖怪に
生気を吸い取られてしまったような(しつこいってば)
感覚に陥ったのです。

そのページに記されていたものこそ
「パンダラブー」だったのです。
 
キャラクターとしての「パンダラブー」のすごさ

「パンダラブー」とはどんな漫画なのか!?
うーん、それは語れない!だって読んだことないから!
でも本に紹介されていた事柄を思い出しながら
とりあえずどんなキャラクターかを書きます。

見た目はただのぶさいくなパンダなんだけど
鼻が、豚鼻です…。
パンダラブーのブーはまさしく豚のブー!

語感の愛くるしさとの異常なまでの外見のギャップ!
これだけでもただごとじゃありません。
 
パンダラブーに見る精神逼迫時の奇跡

パンダラブーの作者は貸し本全盛の時代からいる
劇画(だったかな)漫画家らしいんですが、
この漫画に関してはとても忙しい時に
依頼が来たらしく、
はっきり言ってかなり適当に描いたらしいです。

僕が注目するのはまさにここなんです。
何の構想もなく余裕もない。
そんな時に、ある意味無感情に
生まれたものに対して
僕は無限大のパワーを感じてしまうんです。

パンダラブーはまさにその境地でした。
常人が常識で生み出すことは絶対不可能な
「不条理」をも超越した奇跡なのです。

Mr.Childrenがフロイトの用語を用いて
人を衝き動かす本能エネルギーを
「僕を走らせるes〜♪」と歌うなら、
パンダラブーに見られる奇跡的現象は
「パンダラパワー」と呼ぶしかありません。

 
僕が描いたパンダラブー
↑忠実なイラストを目指しましたが意外と難しい。本物はもっと愛嬌があるぞ!
僕を注文へと向かわすパンダラパワー

その本に「パンダラブー」に復刊の予定がある(?)
というようなことが書かれていたので
すぐさま家に帰り検索し、
パンダラブーをミニコミ誌として5月に刊行するという
当事者のサイトを見つけ出し、
予約のメールを送りつけてしまいました。
僕をこんな謎めいた行動に向かわせたのも
パンダラパワーの仕業かもしれません。

でも、もう、何でもいいんです。
おそらく日本漫画界一のインパクトを持つ
キャラクターに
こういうサイトを作っている時期に出会えた、
それだけで僕はもう言う事がないのです。


追記(2003.2.4):その後、パンダラブーは青林工藝舎より
商業出版されるという偉業を成し遂げました。
しかも作者本人による新作書下ろしまで収録という。
マンガ雑誌「アックス」の表紙を飾り、Tシャツなどのグッズも登場しました。

パンダラブー/松本正彦(amazonリンク)

さあ、いつでも誰でも24時間パンダラブーを買える21世紀が到来しましたよ。
いったい誰がこんな未来を予想していたでしょうか!?

追記(2005.2.17):パンダラブーの作者、松本正彦さんが
今月14日にお亡くなりになったそうです。悲しいがな…。ご冥福をお祈りします。
漫画家の松本正彦さん死去 辰巳さんらと劇画工房