48.言葉合成キャラの系譜 2000.7.27


 ちまたで謎の「言葉合成型キャラクター」たちが増殖中のような気が…。まあその前に、これは僕が勝手につけた呼称なんだけどね。というわけで、今回は無知を武器にむちゃくちゃなことを書きまくってます(^^;)。


このごろのキャラクター

たれぱんだやぶるぶるどっぐなど、最近のキャラクターの中にはある共通点でもって独自の流れを築いているものがあります。というか、先に挙げた2つのキャラは「同じ作者」っていう強力な共通点があるのですが、ここで言いたいのはそれではありません。
何かと言うと、言葉の組み合わせで生まれているということです。いいですか、いきますよ〜。
「たれている」「パンダ」で「たれぱんだ」!
「ぶるぶるふるえてる」「犬(ドッグ)」で「ぶるぶるどっぐ」!
「かぱっと口の開いた」「かば」で「かぱかば」!
「ひらひら飛んでる」「うさぎ(ラビット)」で「ひらびっと」!
「こげている」「パン」で「こげぱん」!

どうでしょ。っていうかお気づきの方もいると思いますがここまでに挙げたキャラクターは全部「サンエックス」という会社が作ったものです。
つまり、言葉組み合わせキャラというのはほとんどサンエックスの専売特許ってな感じです。だけど、他にも言葉組み合わせキャラたちはいないこともありません。例えば、
「眠っている」「こねこ」で「ねむっこにゃーご」
「じゃがいも」+「いぬ」で「じゃがいぬくん」
「すし」+「あざらし」で「すしあざらし」とかね。おっと、異論がある方もいるかと思いますが、僕が勝手に言ってるだけのことですので、ここから先も気楽にご覧下さいね。


「言葉合成キャラ」の出発点

ここで僕が言っているような「言葉合成キャラ」なるものを語る場合、その出発点は「たれぱんだ」になります(と、いうことにさせて下さい)。サンエックスはたれぱんだのヒットの後、ある種の共通点を持たせたキャラクターを次々と世に誕生させました。それが言葉の組み合わせでできているってことですね。ここが「言葉合成キャラ」の出発点といえます。


サンエックスの昔

ではなぜ、サンエックスはそのような共通点を持たせたのでしょうか。これはブランドイメージの確立を表していると言えるでしょう。以前のサンエックスのHPにはたれぱんだ以前に商品化されたキャラクターも紹介されていたんですが、そこには特に見た目の共通点はありませんでした。その時代に対応した、今見るとちょっと懐かしいな〜、って感じのキャラが多かったです。


たれぱんだのヒットをブランドイメージに

そこに突如舞い込んだたれぱんだのヒットはまたとない転機だったんじゃないでしょうか。たれぱんだをうまくバックボーンにしてキャラクターを展開できれば、サンリオのようなブランドイメージを確立することも可能なのでは…!と、実際に思ったのかどうかは分かりませんが、それからのサンエックスキャラは「言葉合成キャラ」という共通点を持たせているのは(とりあえず)事実です。


こげぱんマジック

文具店などのたれぱんだコーナーが一瞬にしてこげぱんコーナーになった、ということがありました。まるで魔法を見ているようでびっくりしたのを覚えています。
これにしたって、問屋も小売店も(ついでに消費者も)、サンエックスがたれぱんだの次にプッシュしているキャラというだけでは、本当に売れる(はやる)のかまだ不安です。
これはこげぱんが、その見た目は全く違うのにどこかたれぱんだを連想させるキャラだったからこそできた芸当なのです! …というのは言い過ぎで、サンエックスは全国規模の流通がしっかりしている会社らしいので、それでできただけかもしれませんが、まあここでは関係しているということにしておきます(^^;)。


もうひとつのからくり

たれぱんだ以降のサンエックスキャラは「言葉合成キャラ」という共通点があると書きましたが、実はここにはもうひとつのからくりが潜んでいます。たれぱんだといえば「癒し系キャラ」の代表選手です。ちょうど去年は坂本龍一の曲がヒットしたり、何かと「癒し」がテーマの年でしたので、そういう視点からもたれぱんだはよく取り上げられていました。
でも「癒し系キャラ」なんていうものには本来実体なんてありません。しかしサンエックスは明確に実体を作ることに成功しました。つまりたれぱんだ以降の「言葉合成キャラ」たちにもそういうニュアンスを付加させたのです。この2つの共通項をどのキャラにも持たせることによって、「言葉合成キャラ」=「癒し系キャラ」というイメージを植付けることができたのです。
「癒し系キャラ」の先には「流行のキャラ」というイメージがあります。つまりここでサンエックスがやったことというのは実は「流行キャラ制作」への近道を作り上げたということなのです。


近道をとおって

冒頭で「言葉合成キャラ」はサンエックスの専売特許のようなものと書きましたが、実際のところその”近道”に特許は取れません。道ができれば他の人も利用するのが世の常。倉木が宇多田の作った道を通って売れても、宇多田がそれに文句をつけられないのと同じです(今なら椎名と矢井田の例えの方がしっくりくる?いやこないか)。

サンリオの新キャラクターで「ねむっこにゃーご」というキャラがいますが、このキャラを見てなぜかサンエックスぽさを感じた方もいるんじゃないでしょうか。それはつまりねむっこにゃーごが先程の”近道”を通ってできたキャラだからなのです。

そして「あざらし」に「すし」をのっけたという、どう考えてもコミカルなだけのキャラクター「すしあざらし」になぜか癒し的なもの感じてしまうのも近道のせいかもしれません(本当は「脱力系」と言うらしい)。
ただ、すしあざらしは「言葉合成キャラ」の系譜でいけば、ちょっと新しい部分に突入しています。


言葉の種類

サンエックスキャラやねむっこにゃーごは「動物(もしくはパン)+動作・状態」という言葉の組み合わせになっています。「〜している動物」って感じですよね。ところがすしあざらしは「モノ+モノ」、詳しく言うと「食べ物+動物」という組み合わせになっています。というわけで、すしあざらしは近道をそのまま通らないで、途中から脇道を突き進んだってな感じのキャラと言えるでしょう。


そして「にゃんこまつり」&まとめ(強引)

ふ〜。実は前の項を書いたところでなんだか知らないですが、続きを書くのを止めてしまっていたので、ここからは20日後の僕です(^^;)。えっと、なんだっけ。何を書こうと思っていたのか忘れてきちゃったよ。
ああ、思い出した。「にゃんこまつり」だ。これはサンエックスの新キャラで、名前こそ合成じゃないけど、ねことおまつり屋台の食べ物との合成キャラですな。食べ物を1種類に限定していないところと、屋台の食べ物に統一しているところが新しい部分かな。よく見ると「※たべられません」なんて書いてあるのがにくいね。
さて、このキャラは「すしあざらし」の延長線上にありますよね。サンエックス自身が脇道を通ってきたって感じでしょうか。
ふーむ、こうやっていろんな道が影響しあって新しいキャラクターが生まれてくるんだなあ〜。なんて、思いましたです。この道は、これからもいろんな面白いキャラクターが登場する可能性がありそうですよね。という期待を込めたところで今回は終わります。ちゃんちゃん(こんな終わり方でいいのか??)。


LINK

サンエックス…たれぱんだ、こげぱんなど、文具を中心としたキャラクターグッズを作っている会社。先日HPがリニューアルしました。

サンリオ…ここではねむっこにゃーごが出てきただけ。どんなキャラかはこちらをチェック。

すしあざらし…すしあざらしの絵本って、まだ売ってるの見たことないんだけど…。

じゃがいぬくん…名前は出したけど、本題では全く無視してます(ははは…)。実は作者の方が元サンエックスの社員の方だそうです。ぐるぐるタウンはなまるくんのキャラクターも同じ方なんですね。そういえば同じタッチです。
ちなみにじゃがいぬくん、テレビ東京系にて8月9日にアニメが放送されるそうです。


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