45.コンカー、変貌の3年間 2000.6.3(2001.3.20追記)


 今回はまるでゲームサイトにあるコラムのような内容です(^^;)。 リスの「コンカー」はゲーム好きの間でも全然有名じゃないマイナーキャラですが、前代未聞の衝撃的変貌を遂げました。 しかし、そのマイナーなのがたたってか、星の数ほどあるゲームサイトのほとんどで全く取りざたされていないというありさまです。埋もれてしまう前に、僕がここに書き留めておこうと思ったのです。


そのリスの名はコンカー

今回紹介するキャラクターが登場するゲームソフト「Conker’s Bad Fur Day」の開発元、イギリスのレア社のホームページには主役のリス「コンカー」が王冠をかぶり、目つき悪く睨みを利かせ、なにやら喋っているデモムービーが見られます…。

ディズニーの映画「ターザン」に残酷的表現があったと聞いたことがありますが、そんなどころの騒ぎじゃないですよ。

だって、酒を飲み、タバコも吸い、マシンガンぶっ放して流血シーンまである、しかも海外では17歳以上のレイティング付きになるらしいゲームの主人公が、とっつきよさげなすっごくかわいいリスなんです。ごっついおっさんや、化け物や恐竜とかならまだ分かるけど。
こんなのが子供ユーザーの多い日本の64でも(しかも任天堂自ら)発売したら、それはもうすごいことでしょう…。

今回はそんなコンカーの、ちょっとマニアなお話です。


コンカー、それはとてもかわいかった…

「コンカーズクエスト」。NINTENDO64ソフトとしてこのタイトルが電撃的に発表されたのは1997年の「E3」(世界最大の電子エンターテイメントイベント)でのことでした。
このゲームソフトの開発元であるレア社は、「ドンキーコング」というビッグネームを擁している会社なのですが、このドンキー自体は任天堂からの借り物キャラなんですよね。そこでレア社オリジナルキャラのゲームソフトとして誕生したのがコンカーと言うわけなのです。

レア社はこれまでにもドンキーコングの脇役たちをデザインしてきました。しかしそのどれもが、”外国の目が怖い人形のイメージ”というか、海外受けはするんだろうけど日本人向けのかわいさに欠けたキャラクターでした。
実際コンカーと同時にE3にて発表され、日本では98年末に発売された「バンジョーとカズーイの大冒険」という〈濃いキャラが登場する〉アクションゲームは、海外では300万本強のセールスを記録したものの日本では10万本程度と大きな開きがありました。
これにはいろんな事情があるのは確かなのですが、それでもキャラクターもひとつの原因なっているのでは、というのが大方の意見でした。

だけどそんな中、コンカーだけはひょっとして日本人受けするんじゃないか? と、僕は思っていました。目はやっぱりちょっと怖い感じなのですが(^^;)、リスという設定がよかったのか、他のキャラに比べすごくかわいかったのです。それに、キャラクターの表情をこだわって作っているとのことで、生き生きとした顔をしていたのです。


↑草原とお花畑が似合った頃のリスのコンカーです(^^)。ガールフレンドのベリーとともにいろんなコスチュームになりながら、悪者に取られたプレゼントを取り返す冒険をする予定でしたが…。

続報に期待し、胸を膨らませているとその年の暮れ頃、E3発表タイトルではなかったもののコンカーが登場するゲームが発売されました。「ディディーコングレーシング」という、一見「マリオカート」のレア社キャラクターバージョンとでも言うようなゲームに、プレイヤーキャラの1人として一足お先に登場したのでした。

このゲームの中で、コンカーは期待通りのかわいいキャラ振りを発揮してくれました。登場する8人のキャラはほとんどこのゲームで初登場でしたが、タイトルにもなっているディディーコングや、バンジョーの姿もありました。しかし僕はいつもコンカーを選びます(もちろん理由はダントツでかわいかったからです)。そして、コンカーが主役のゲームの登場がますます待ちどうしくなっていったのでした。

しかし、いつまでたっても、何一つ続報はなかったのです…。


3年の沈黙の後、彼は…

電撃発表から3年後の今年、E3開催中のある日、ゲーム情報サイトを巡っていた僕はとある一文に釘付けになりました。GAMESPOTのE3特集ページの目次です。そこには見逃しがちな感じに「コンカーがE3出展をボイコット!?」との見出しが…。「コンカー」ってずーっと音沙汰のなかったあのコンカーなのか?ボイコットということはとうとう発売中止が決定?などと思う余裕もないくらい、あわてて本文に目を通してみると信じがたいことが書かれていました(この時は本当に衝撃でした)。
コンカーが、粗暴な言葉を話し、タバコを吸い、マシンガンをぶっ放すと言う、とんでもない荒くれ者になってしまったと書かれていたのです!

こ、コレは一体…???

もっと詳しく真相を知りたくなった僕は、他のゲームサイトを飛び回ったのですが、それで得られたことと言うのは、誰もコンカーなどには注目していないという、もうひとつのショッキングな事実でした。どこのゲームサイトも、コアな任天堂ファンサイトですら取り上げられてなかったんです。数少ない感想として、「これは日本発売はないな」という誰かのコメントを見つけることができたくらいでした。

と言うわけで、なんだか消化不良な気持ちのまま、今に至っているのです。


コンカーはなぜ変わらなければならなかったのか

このままうやむやしてるのもなんなので、上のテーマで何かいろいろ考えてみることにしました。

最初に思ったのは、注目度ですよね。このゲームソフトはNINTENDO64用ですが、64というのはもう成熟期で、ちょっとやそっとのことがあってももう注目される存在ではありません。そんな中でレア社が取った方法なのがこれなのかと。実際に、日本では誰も注目しませんでしたがアメリカではなかなかの注目を集めていたようでした。ちなみに海外では(かわいかった頃の)コンカーが主役のゲームボーイソフトが発売されているため、そのギャップが明確だったのかもしれません。

もうひとつはレア社の社風とでもいうようなものがそうさせたのかなあというもの。レア社は現在任天堂のセカンドパーティと言う位置付けで、レア社開発のソフトは全て任天堂ブランドとして発売されます。したがって子供でも安心して遊べるようなゲームを制作するのが前提になるわけですが、元々レア社はちょっとくせのある会社なんですよね(下のおまけ参照)。なにかフラストレーションみたいなものが、コンカーに現れたのかなあなんて思ったんですが、これはちょっと考えすぎかも…。


↑レア社のHPで見れるでもムービー内で拝見できる王冠をかぶりお酒(?)を飲むコンカーのお姿。目が据わってるし…。ちなみにコンカーのサイトに入る前に「17歳以上か以下か」というような質問ダイアログまで表示される徹底振り。何かやばいことでも喋ってるんでしょうか…?(英語だから分かんないけど)


LINK

Rarewhere…レア社のHP(英語です)。
Conker’s BFD…今回紹介したゲームソフトのコーナーです。
Nintendo Power E3…アメリカ任天堂のE3特集ページ内のコンカーコーナー。ゲーム画面が何点かあります。
Conker’s Pocket Tales…再びレア社HPより。ゲームボーイ版のコンカーかな? ちなみにまだかわいいです(^^)。


追記(2003/6/23):久々の追記です。その間にレア社も任天堂からマイクロソフトに売却されて、Xboxでコンカーの新作が発表されたりと(でもやっぱり日本発売はないみたい)いろいろありましたが、先日64版コンカーの攻略サイトを見つけたのでリンクしておきます。僕もこのサイト見ながらもう一度やってみよっと。
日本で唯一のconker'sBFDサイト『こんかぁ』

追記(2001/3/20):3月5日、「Conker's Bad Fur Day」がようやくアメリカで発売になったようです。やはり17歳以下は購入できない、ヤバめのゲームのまま発売になったようです(^^;)。レア社のゲームは通常任天堂からの発売になるのですが、さすがにイメージ的な問題からか、このゲームはレア社直々の発売のようです。

ここまでコンカーを追っかけてきた者としては、なんとしても手に入れたいところですが、どうしましょうか(^^;)。一応、日本の64本体でアメリカの64ソフトをプレイすることは可能ですからね…。どうしようかな〜。


おまけコーナー・レアウェアキャラクター紹介

またまたマニアなコーナーの登場です(^^;)。ここではレア社の主なゲーム&キャラクターを紹介してみます。いつか、レア社のキャラクターをまとめてみたかったんだよね。

(レア)とあるのはリンク先がレア社のページです(それ以外は任天堂です)。


「バトルトード」(レア)
任天堂と出会う前のファミコン作品。マッチョなカエルが主人公の横アクションゲームという、これぞ洋ゲーの王道ってなゲーム。しかしそこはレア、ゲーム自体の完成度が非常に高かったため、マニアに隠れた名作と絶賛されました。

「スーパードンキーコング」
レア社と任天堂がタッグを組んで開発したゲーム。3Dモデリングされたキャラクター&背景をドット絵にするという荒技により派手な見た目のゲームが誕生。でもゲーム内容はオーソドックスってとこもポイント。プレイヤーキャラはドンキーコング(ゴリラ)とオリジナルキャラのディディーコング(かわいい)。

「スーパードンキーコング2〜ディクシー&ディディー」
1年後に発売された続編。こっちは前作から引き続き登場のディディーコングとディクシーコングがプレイヤーキャラ。ドンキーは悪者にさらわれてしまった(^^;)。

「スーパードンキーコング3 謎のクレミス島」
更に1年後に発売され、スーパーファミコン最高画質と謳った1本。主役はディクシーと。ドンキーとディディーは例によってさらわれました(^^;)。要するにプレイヤーキャラを変えるために古いキャラは悪者にさらってもらうと。

「ゴールデンアイ 007」
アメリカでは大ブレイクだったんですけどね。僕はこのゲーム、なんか怖いし酔うのでできません(^^;)。でも小さい子にも人気あるんだよね〜。怖くないのかなぁ。

「ディディーコングレーシング」
今回のこらむ本編にも登場したレースゲーム。対戦以外にも1人でやっても面白いところがいいです。ディディー、コンカー、バンジョーの他にはカメのティップタップ、トラのティンバー、ネズミのピプシー、アナグマのバンパーなど、没キャラっぽいマイナーさを醸し出すキャラが多いです…。HPのキャラ紹介にはホバーに乗るコンカーの姿が。

「バンジョーとカズーイの大冒険」
コンカーと一緒に発表されたアクションゲーム。クマがトリを、はたまたその逆を背負って歩く姿はばかばかしくもあり面白いです。金にモノを言わせて(?)新幹線にキャラクターのイラストを貼り付けたりと大掛かりなキャンペーンを行うも空振り。海外では大ヒットだったんですが。

「スターツインズ」
犬が銃を背負って虫を撃つ姿をムツゴロウさんが解説するという破天荒なCMをご記憶の方も多いのでは?
このゲームもレア社です。当初は主人公キャラが3頭身くらいのコミカルキャラでしたが、小さい子が銃を持つのはちょっと…ということで6頭身に変更になりました。思えばこの頃からレア社は何か思うところがあったのかもしれませんね。

「ドンキーコング64」
久しぶりに登場した64初のドンキー。コングが5人登場しますが、サルの種類がみんな違うんですよね。ゴリラにチンパンジーにオランウータン、それからそれから…。

「Mickey’s Speedway USA」(レア)
これは現在開発中のミッキーキャラのレースゲーム。64のほかにゲームボーイ、ドルフィン(仮)でもディズニーのゲームが出ます(日本でも発売の予定です。たぶん)。ミッキー+レア社っていうのも面白い組み合わせかもしれません。

「パーフェクトダーク」(レア)
ゴールデンアイの続編的なソフト。ジョアンナ・ダークというかっこいい女性がプレイヤーキャラ。今回はアメリカで放送されたCMをそのまま日本でも使うらしいので期待。

「Dinosaur Planet」(レア)
これも開発中ソフト。今回のE3ではコンカーよりもこっちが注目だったんですが、確かに凄そうなゲームです。グラフィックがきれいです。


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