●友達づきあいゲーム『キャベツ』のすべて(2000.6現在)

掲示板に『キャベツ』について話題が出ましたので、
インタビュー記事の多いことで有名な(?)
The 64DREAMのバックナンバーを探って、
これまで出ている情報を時系列順にまとめてみました。


○1997年4月号

この号(なんとどせいさんが表紙なのだ)には糸井重里インタビューが載っているんですが、『MOTHER3』については6ページ、『キャベツ』については1ページ半にわたって語ってます。
実は『キャベツ』というタイトルが公になったのも、このインタビューが最初で、その後他誌が追随するという形になり、64ドリーム的にはかなりおいしいスクープとなったのでした(^^;)。

このインタビューでわかることは、
◇ 『キャベツ』というのは仮称である。
◇ 5年前(当時だから1992年頃か?)から開発(構想期間含む)しているゲームである。
◇ 当初はゲームボーイで発売する予定だった。
◇ 糸井さんがNINTENDO64の性能に惚れ込み、途中から64用に開発することに決めた。
◇ コンセプトは「3人で(開発)できるゲームを作ろう」。(優秀なプログラマ+画面演出の得意な人+糸井さん)
◇ 上記の優秀なプログラマとはHAL研究所の岩田聡さんのよう。
◇ 内容は『たまごっち』に似て非なる(?)育成ゲーム。
◇ 『たまごっち』を真似したと思われるとしゃくだから、ここで一言いわざるをえなくなった。
◇ キャラクターは出来ている。
◇ 上手くいけば97年中に発売できる。まずくても1年ちょっと(つまり98年前半)で出せる。


といった感じです。ここまでの情報をもっと要約すると、『キャベツ』とは「糸井さんを含む少人数で開発している育成ゲーム」といった感じですね。


○1997年6月号

この号では、東京ゲームショウがらみで宮本茂インタビューがあります。
そして更に64DD特集と題して、HAL研岩田さんにもいろいろ伺っているんですが、そのどちらでも『キャベツ』のことが取り上げられています!(ちなみに昔の64DDの特集はどれも夢物語のオンパレードで、なんだかすごいです(^^;))

まずは宮本さんへの独占インタビュー内容からその部分を引用。
「これはずっと前からやっていて、「たまごっちが先に出て悔しいよね」と言っていたソフトのひとつで、生き物を育てるというのは64DDだからできるゲームですよね。」

そして64DD特集では、Q&Aで「『キャベツ』ってどんなゲームですか?」と言う質問が。ここで判明したことを挙げると、
◇ 64DD用ソフトとして開発中。
◇ 64DDの機能を生かした全く新しい”遺伝ゲーム”。
◇ 宮本さんも制作に関わっている。
◇ 「GA」と「ニューラルネットワーク」という高度なコンピュータ技術が導入される。

といった感じ。

最後の技術については岩田さんが詳しく説明されてますので引用してみます。

『GAというのは直訳すると遺伝的アルゴリズムというものです。例えば、生命は単細胞からスタートして、交配があり、突然変異があり、環境に合ったものだけが生き残り、人間のような複雑な生命が誕生したわけですね。これをコンピュータの中でシミュレートしたものがGAなんです。』

『ニューラルネットワーク(神経回路網)は人間の神経回路をマネたプログラムで、予想できない動きをするんです。』

『基本的には”育成ゲーム”と呼ばれるものになるんだろうけど、どんな生き物が生まれるか分からないし、十人十色の生物を育てることになるんでしょうね。』

といった感じ。つまり、生物の遺伝を模した高度なプログラムを使い、本当の生き物のように予測できない発達をするキャラクターを育てるってことです。パターンが無限大なんですね。従ってすべてのパターンをチェックしないといけないバグチェック作業は実質的に不可能なんだとか。


○1997年9月号

アトランタで行われた世界最大のエレクトロニック・エンターテイメントイベント「E3」の特集号です。この中にE3開催前日の6月18日にアトランタ内のホテルにて行われた宮本茂質問会の様子が掲載されています。この中で「『たまごっち』のようなゲームは出ないのですか?」との問いに、『キャベツ』のことを答えています。その内容はだいたいこんな感じです。

◇ 名前は言えないが糸井重里と何人かのクリエイターで作っている。
◇ 育成シミュレーションである。
◇ 「ポケットモンスター」より前から企画をはじめている。
◇ 64DDと同時発売できるように調整中。


とのことで、ここで初めて『キャベツ』というタイトルが世界に向けて公表されたということですね。


○1997年10月号

「特集 カービィをさがせ!!」ということで、この号ではHAL研究所の特集が11ページの規模で組まれています。当時は新作ゲームがあまりなかったので、こういう特集にたくさんのページが割けたんですよね。ちなみに『キャベツ』については2ページにわたって書かれています。回答者は例によってHAL研社長(当時)の岩田さんです。

◇ 今は試作版を作って動かしている段階。
◇ (試作版では)本当は自分で動くところをコントローラーで動かしている。
◇ (糸井さん、岩田さんの他にいるとされるもう1人の制作者について)別の会社の陣営で結構名前が売れている方で、2年前から定期的に打ち合わせをしている。
◇ 自分の子供のデキの悪さを自慢するようなソフトになる、らしい。


とのこと。ふーむ。ちなみに岩田さんが制作に入っていることで分かるように、このゲームはHAL研究所内で制作されています。


○1997年12月号

この号では、なんと糸井さんと宮本さんのドリーム対談という特集があります。この年の64ドリームはやけにいい感じですねえ。ちなみにこの対談の中で糸井さんがMOTHERの企画を初めて任天堂に持ち込んだ時のことなどが語られています。
この特集では、糸井さんに宛てたQ&Aに「『キャベツ』はどのようになっていますか?」というのがあります。その返事として糸井さんは下のように答えています。

『「いよいよ来たか!」という状態になりました。HAL研の岩田さんが入ってから、『キャベツ』を作るツールが圧倒的に近代化されているんです。(中略)だから、もう実際に動いています。それからキャラクターデビューについては鮮烈にやりたいんですよ。だからもうちょっと待ってください。(中略)デビューするのは(98年の)年明けくらいじゃないかなあ。』

というわけでこの号でわかったこと。
◇ 正式タイトルはまだ決まってない。
◇ キャラクターデビューは98年はじめ頃鮮烈に行う予定。


…結果的にデビューの話は嘘っぱちになりましたね(^^;)。正式タイトルについては、「『キャベツ』というでたらめで言った仮称の受けがよいからそのままで行くかも」とも。


○1998年2月号

この号ではニンテンドウスペースワールド’97にて開催された任天堂山内博社長の講演全内容が掲載されているんですが、その中に出てきますよ、『キャベツ』が。山内社長が『キャベツ』について公言したのはこの時だけだったような気もしますが、違うかもしれないので断言はしません(^^;)。以下その内容の抜粋です。
『(ヒット作品の真似ゲームはダメだと言う話で)コピーライターの糸井重里さんという方がいられますけれども、これは『キャベツ』というゲーム。これを今開発中ですけれども、これはやはり育成機能を持たす、しかし『たまごっち』タイプでも、『ポケモン』タイプでもない新しいタイプの育成というのを、そのゲームにつけようとなさっている。』

というわけで、発言自体に新情報はありませんが、社長が言ったということで重要かもしれません。
あとこの号では新作ソフトカタログの欄にも気になることが書いてありました。
◇ 64DDの書き込み・時計機能を使う。
◇ ゲーム中に登場する生物は庭に住んでいる。
◇ その庭に池を作ったり、ブランコや滑り台を買ってあげたりもできる。
◇ アイテム交換できる。

こんな感じです。ちょっと見えてきた、かな。


○1998年3月号

「任天堂神田ビルで聞いたあんなソフトのこんな話」という特集。ちなみに当時の神田ビルは、ジャックと豆の木(ポケモンスナップ開発チーム)、HAL研、管理・技術、東京 開発、クリーチャーズ、会議室といった部門が集結するすごい編成だったようです(現在はどうなってるのかな)。
その中のHAL研のページにてまたもや岩田さんが『キャベツ』について語っています。

◇ 「ゲームボーイを虫かごに見たてて、なかでモノを飼ってみたい」と言った糸井さんの発言が『キャベツ』制作のはじまり。
◇ ”絵はこういう方向”というのは決まった。
◇ 画面撮影はできるけど、まだ最終段階じゃないので見せられない。
◇ 生き物を飼うセットを買ったような感じ。
◇ プレイヤーが環境を整えて待っていると”ヤツ”が来る!ってイメージ。
◇ 友達が育てているキャラをつれて帰ったりもできるらしい。


とのこと。


○1999年2月号

1998年の鮮烈キャラデビューは?なんて言ってるうちに1年経過、99年になっちゃいました(^^;)。この号では「1999年HAL研ビッグバン」と題して、再びHAL研大特集(今度は7ページ)。「99年は7本の64ソフトを出す」と強気な発言をするのはここでも岩田さん。『キャベツ』についても「もちろん作っていますし、99年に出すつもりでいます」と強気。
だけど、99年のHAL研ラインナップは「スマッシュブラザーズ」と「ポケモンスナップ」の2本止まり。まあ、スマブラが大ヒット飛ばしたので結果オーライってとこかな。ちなみに99年度(〜2000年3月まで)で言うと、「シムシティー64」、「カービィ64」、「バス釣りNo.1決定版」の3本がHAL研作品ですね。ちなみに「シムシティー64」は64DD作品です。お忘れなく。


○1999年5月号

この号の新作ソフトカタログのコーナーでは『キャベツ』に「スキンアニメーション」なる技術が導入されるかも?と書かれています。これは「生き物を、生き物らしい動きにする」という最新技術だそうだ。詳しくは不明。


○1999年11月号

この号の新作ソフトカタログのコーナーには『「生き物はプレイヤーが指示したアクションを学習し、その重要度を理解していく」という某有名育てゲーを作った方が制作中らしい』との記述が。
このずっと謎に包まれたままの第3の開発者。最も信頼度の高い噂(?)として挙がっているのが、斎藤由多加さんというお方。この方はほぼ日にも連載を持っている方で、ドリームキャストの「シーマン」を作った方としても有名。ちなみにシーマンって当初64DD用ソフトとして企画されていたそうです…。


○2000年2月号

この号では「ドルフィンから焼き蟹まで宮本茂インタビュー」と題された11ページの特集が。その中の「一問一答25」というコーナーで、22番目のクエスチョンとして「ところで『キャベツ』は?」というものが。この問いに対する宮本さんの回答はかなり面白いです。要所を抜粋してみると、

『理想的な土俵をもう1回見直そうと思っているんです。なんと、余裕のある開発でしょう(笑)。「その間の開発費はどうするんだ!」って(笑)。まあ、糸井さん、岩田さん、それに僕でやっているので、あんまり実費を使ってないし…、まあボランティア(笑)。』

『あのチームは楽しいですよ。ずっと研究ばかりしていて。「キャベツ研究事業団」(笑)。出資者は任天堂とHAL研と糸井事務所(笑)。』

というわけで、『キャベツ』についてはとうの昔に採算度外視状態に突入のようです(^^;)。糸井さんが絡むとそんなんばっかですね〜。大丈夫なんでしょうかね〜。

あと、今回の宮本発言の中にはもうひとつ重要な部分があります。
「2000年中には何とかしたいね」ということでやっていますけどね。だから、64DDで出ることはたぶんないですが、ゲームボーイアドバンスやドルフィンを含めて、見直そうとしているんです。
ありゃりゃ、64DDじゃないの〜!? そしてゲームボーイアドバンスやドルフィンって、それじゃあ2000年中にはどうにもならないの決定じゃないですか(^^;)。ああ、『キャベツ』よどこへゆく〜。


○2000年5月号

この号では29ヶ月ぶりに糸井さんが64ドリームに登場。全11ページの特集です(内訳は表紙 1p、「バス釣り」4p、「MOTHER3」1p半、『キャベツ』半p、「ほぼ日」2p、その他のお仕事2p)。

というわけで
『キャベツ』についてですが、いきなり「ごめんなさい。『キャベツ』についてはお話できないんですよ」と糸井さん。こ、これは開発が1回振り出しになっているってことなんでしょうか…。
その他の発言としては、
『一言で言うと、飼育ゲーム…というか「友達づきあいゲーム」なんです。』

『『キャベツ』に関しては、爆発的なアイディアがほしいんですよ。いま、自分でも欲求不満なとこがあって、やればおもしろいんだろうなと思っても、「バーンと行かないな」っていう気分があるんです。』

というのが糸井さんからのコメントです。あと、「画像の表現でみんなと違うことをやりたい」ともおっしゃってますので、そちらについても楽しみですが、一体いつになれば正式に発表されるのやら…。


○2000年7月号

先月発売のこの号では、なぜか64DD用ソフトの発売ラインナップに『キャベツ』が復活しています。2月号の宮本さんの発言以降、消えていたんですが…。でもまあ、どっちにしろ64DD用に発売されると言う事はありえないでしょうね〜。そういえばもう8月号が発売されていますが、それではどうだったんでしょうか。まだ見てないので分かりません。
一番理想的なのは、ゲームボーイアドバンスと同時発売して、ハードのけん引役になればいいかな、なんて思いますが、どうでしょうか…。

というわけで、結局『キャベツ』とは、何が何だかよく分からないゲームだということです。


最後に『MOTHER3』のことですが、2000年5月の糸井さんインタビューを読み返して気づいたんですが、「岩田さんが次のハードの仕事のために、お尻に火がつきはじめている」「3月にメドがつかないとダメよ」「『ポケモンスタジアム』を作っていた、絵を描くチームが大量に動員されて手伝ってくれた」とか書いてあるんですよね。
これを見ると『MOTHER3』の発売ってかなりヤバイんじゃないかなんて邪推してしまいます。
まず、このインタビューって2月頃に行われているから現在岩田さんはとっくに次のハードの仕事に行ってしまって、『MOTHER3』にはタッチできない状態にあることが考えられます。
あと、『ポケモンスタジアム』のチームですが、実は『ポケスタ3』が年末頃発売されるらしいんですよね。ということはもう『MOTHER3』は手伝えないということになります(グラフィック関係がすでに出来上がっていれば問題ないのですが、それなら写真の一枚でも公表できそうなんですけどね…)。
んで、実際3月にはメドがついてないですよね〜。これはもう泥沼状態なんじゃないかって思ってしまうんですがどうなんでしょうか。

早いところ何らかのアナウンスがあってほしいです。8月にある任天堂スペースワールド2000に展示されなかった…、なんてことのないようにお願いしたいものです(展示されていてもまた来年5月発売なんてことになってたら同じだけど…)。


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